>>8の続き

浄化部隊の隊員に囲まれたでち公どもは青ざめた顔でちいちい泣いている。
そんなでち公どもの情けない姿を我々はカメラで収めつつ、隊長がこれからどうするのかを注視する。
隊長は金属製の警棒を手に取ると、軽く揺らしながら口を開いた。
「まず、お前らがこれから何をしに行くつもりだったのか聞かせてもらおうか。
まあ、大体分かっているが一応な」
そう言うと、頭を殴られたでち公がこわばった笑みを浮かべてしゃべりだした。
「ご、ごーや達はこれからごはんを近くの村から取ってくるつもりだったでち……
ごーやの村だけではみんなが満足できるだけのご飯を作れないでち、これは仕方のないことでぐぎゃあっ!」
隊長がでち公の話を最後まで聞き終わることなく警棒をでち公の頭に振り下ろした。
「ほう、自分達だけでは食えないから民間から盗むと……。鎮守府から逃亡した挙句
不法占拠に略奪とはいい身分だな」

隊長はでち公の頭と顔に容赦なく警棒を叩きつけていく。
でち公の額が割れて血が流れ出し、顔が腫れて膨らんでいっても隊長は警棒で叩くのをやめない。
「ぐ……ぐえっ、ごべんなぢい、ごべんなぢい、もうやべでぐだぢもうやべげえっ」
でち公は殴られつつも涙と鼻血を流しながら必死に謝るが、一向に止まる気配はない。

隊長がようやく警棒を下ろした時には、でち公の顔面は完全に腫れあがり、血と涙にまみれていた。
歯が折れて隙間だらけの口からはヒューヒューと息が漏れ、
小さな声で「あやまるでちあやまるでち……」とうわ言のように繰り返していた。
それを一瞥した隊長は、ほかのでち公に向き直った。
「さて、次はお前らから話を聞いてみようか」