「あたし、彼と寝ちゃった」

パメラは驚愕した。プリムの一言は稲妻となって彼女の心臓を貫いた。
「・・・彼と寝たって、どういうこと?」
薄暗い寝室、乱れたベットの上で、背を向け髪を直すプリムへ向けパメラは問いかける。
「・・もう、わかってるでしょ! 彼、ディラックに抱かれたの!」
裸身に金色の美しい髪を揺らせながら、プリムは無邪気に答えた。
金糸のような長い髪、ほのかな明かりに照らし出された白く透き通るのような肌、
肉付きのよい肢体、そして金の繁みに覆われ甘い蜜が湧きだす女肉、
パメラの愛してやまないその全てが色褪せてゆく。

「ディラックすごく優しかったよ。あんな感じなんだなってわかっちゃった」
「・・・どうして」
「ん?」
「・・・どうして、彼と寝たの?」
うつむきながら、消え入りそうな声で力を振り絞るようにパメラは尋ねる。
「どうしてって・・・もう! やだパメラったら!」
振り向いたプリムは悪戯っぽく笑いながら答える。
「ほら、彼まじめだと思ってたら、違ってたの。驚いちゃった。
 躰もすっごくて、あたし負けちゃった。あのあと彼の部屋でね・・・」
「どうして男とセックスしたのって聞いてるのよ!!!」
怒声とともに、プリムの眼前に激高したパメラの顔が飛び込んできた。
「なんで交尾して喜んでるの?プリムはあいつに騙されたの!男に!
男に犯されたのになんで喜んでるのッ!!!」

(続く)