ピック病は40〜60代と比較的若い世代が発症する「初老期認知症」の代表的疾患であり、若年性アルツハイマー病とよく比較されます。
そして、本人は全く病識(びょうしき:病気を認識すること)がありません。
ピック病にみられる特徴的な症状として、以下の症状があげられます。
情緒障害
さっきまで笑っていた方が突然泣き出してしまうなど、情緒が病的に不安定となります。
人格障害
温和だった方が怒りっぽくなるなど、今までみられなかったような人格になります。
この人格症状はピック病以外の認知症でも見られますが、ピック病が特に強くみられる傾向にあります。
強さの程度はピック病>アルツハイマー病>脳血管性認知症 となります。
自制力低下
相手の話は聞かずに一方的にしゃべる、短絡的な行動をとるなど、自制することが難しくなります。
異常行動
万引きを繰り返す、他人の家に勝手にあがるなど、社会生活を送るうえで逸脱した行動をとるようになります。
対人的態度の変化
人を無視・馬鹿にしたような態度をとる、ひねくれた態度をとるなど、相手に対しての態度が病的に悪くなります。診察に協力を依頼しても拒否したり、不真面目に答えたりもします。
滞続症状
意味もなく同じ内容の言葉や行動を繰り返します。