「なぜか私、男の人と同棲してる気分になってました。家に帰るとロンが玄関までやってきて、そんなロンが可愛くて、ロンにキスしたりして…。私もなんだか本気でロンのことが好きになってきて…。そこは自分でもわからないんです。一緒に暮らしている犬に愛おしさを感じるなんて、私も変だとは思うんですけど…」

そこまで話すと、ベアトリーチェはまたうつむいてしまった。ナディアはコップの底に残ったバナナジュースをストローでズズッと飲み干す。

「変じゃないわよ。好きになる、愛おしくなるは人間の自然な感情だし」

ベアトリーチェがナディアに言って欲しいと望んでいる言葉。ナディアはその言葉をベアトリーチェに言った。

続く