銭湯には毎日行った。それが楽しみだった。週末には彼女と一緒に行った。
風呂から上がって、脱衣所に置いてある新聞を読んで待っていると、番台のおばさんが
お連れ様がでますと声をかけてくれた。でも、いろいろあって、その彼女とも別れた。
それからしばらくは、週末に一人で銭湯に行って髪を拭いていると、おばさんの目は
女湯の彼女を探していた。それが何回か続いて、おばさんも悟ったようだ。

酒は毎日飲んだ。麦焼酎の二階堂。飲まないと寝られなかった。
布団に横になると孤独感に苛まれた。いつまでこんな日が続くんだろうかと思った。
砂を噛むような味気のない毎日だった。深海にいるようだった。

今、この前書きを読んでいる人の何割かが数年前の僕と同じような状況にあると思う。
この状況から抜け出す方法は二つ。合格するか、受験をあきらめるか。
でも、一度受験をあきらめて、また戻ってきた人からこんなことを聞いた。
自動車教習所の看板にある”公認”の二文字にいつもどきっとしたと。

もし気力が続くのならばなんとか頑張ってほしい。朝の来ぬ夜はないと信じよう