あと、レスするのもめんどくさい。
たとえばアイルランドは、500%成長し、欧州最底辺の貧困国だったのが、短期間で日本の所得の2倍を稼げる国になった。
その理由はもちろん違法すれすれの租税回避地にして、世界の資本を集めたから。
でも、理由はそれだけでない。
この野口氏の解説の通り。

>IT革命が実現したアイルランドの驚異的発展/野口悠紀雄
文藝春秋digital
2020年2月26日 12:00
https://bungeishunju.com/n/n3879935d8091
インターネットによる通信コストの低下で、アイルランドは、ヨーロッパのIT産業の中心になりました。工業化の段階を飛び越えて、情報産業を中心とする経済構造になったのです。
アイルランドは、1980年代の半ばから、それまで誰もが予想しなかった急激な経済成長を始めました。
 そして、アイルランドは、ヨーロッパで最も豊かな国の一つになったのです。
 この驚嘆すべき変化を形容するのに、「アイルランドがCeltic Tiger(ケルトの虎)に変身した」という表現が使われます。「病人」が「虎」に変身したわけです。

ただし、法人税率を下げたからといって、必ずしも外国企業が集まるわけではありません。アイルランドで効率的な事業活動ができなければ意味がないからです。
外国企業がアイルランドに来るようになったのは、アイルランドに欧州本部を置き、そこからヨーロッパ大陸の顧客サービスを行なうようになったからです。1985年のマイクロソフトを初めとして、アメリカの多くのIT関連企業が、アイルランドに欧州本部を設置しました。

 こうなったのは、90年代になってインターネットの利用が進展し、通信コストが大幅に低下したからです。
そして、「e-HUB」と呼ばれる高度な業務も始まりました。これは、世界中に広がる工場や支店の注文・在庫確認・発送指示などの対顧客業務のセンターを、アイルランドに集中しようというものです。こうして、アイルランドは、地球規模でITビジネスのハブ(中枢)になったのです。

 この結果、海外からの直接投資が大量に流入しました。金融業や保険業も進出してきました。アイルランドは、あらゆる業種や事業活動において、多くの企業の欧州事業中核地となりました。
アイルランド国内で産業が発展したため、教育水準の高い優秀な労働力が意味を持つことになりました。彼らが、アイルランド国内で活躍できる可能性が生まれたのです。

こうしてアイルランドは、それまでの農業型経済から、高度な技術を駆使する国際的サービス型経済へと転換しました。