日本の巨額債務、米国の支出拡大が向かう未来か  有料版から
さらなる支出増を議論する米議会、政府の負債は日本レベルに近づく可能性も
By Peter Landers
2021 年 8 月 23 日 13:30 JST 更新
https://jp.wsj.com/articles/japans-love-of-debt-offers-a-view-of-u-s-future-11629692736
日本の中央政府は既に、約1000兆円の債務返済義務を負うという苦境にある。これは、毎年の税収が6000億ドルに満たない日本政府にとって、対処不能なほど巨額な債務のように見える。
 しかしエコノミストらはこのところ、国債発行額が少なすぎるリスクについて語ることの方が多い。
 岡三証券のチーフエコノミスト、会田卓司氏は、日本政府が当面の間、毎年の支出を30兆円(約2700億ドル)前後増やし、年間予算を30%ほど拡大すべきだと述べる。
 同氏はそれが必要な理由について、企業が新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を前にして、とりわけ今は貯蓄することで経済成長を抑え込んでいるからだと述べる。消費者も慎重になっているため、需要を喚起して経済を停滞から脱却させる役割を担えるのは政府しかないという。
 同氏は「企業がお金を使わないのであれば、政府が使ってあげればいい」と述べ、「この国に債務危機は起こりようがない」と語った。