アベノミクスの失敗、これぞ、決定的な数字ではないか。
そう思われる経済指標が昨年12月25日、内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部から“こっそり”出された。

“こっそり”というのは、大新聞・TVがほとんど報じなかったからだ。

 問題の経済指標は「平成25年度国民経済計算確報」と題されたもの。
国民1人当たりの名目GDP(国内総生産)や名目GNI(国民総所得)、
国民所得、国際比較などの数字が列挙されている資料だが、
目をむいたのは家計貯蓄の項目だ。
家計貯蓄とは、家計の可処分所得や年金の受け取りから家計の消費支出を引いたもの。
これが2013年はマイナス3.7兆円になり、
家計貯蓄率もマイナス1.3%になった。家計所得がマイナスになるなんて、
この統計がスタートした1955年以来、初めてのことだ。
それ以前をさかのぼっても、マイナスは1949年に1度あっただけだという。
戦争中でさえ、家計所得はプラスだったのに、それがマイナスに転じた。