問題なのは既に需要不足ではなく
労働人口減少による供給制約が出始めているのに
異次元緩和をやりっぱなしなことだろ

量的緩和というのは金利操作とちがって
大規模にやりはじめるとブレーキをかけるのが非常に難しい
FRBなんかもテーパリングを開始して資産購入を停止するまで1年
更に1回目の利上げするのに1年、引き締めに入ったのは2017年秋でテーパリングが4年後
更にFRBのバランスシートが通常の状態に戻るまでに最短でも4〜5年
実際のところはリーマンショック前の状態まで戻すのに順調にいって10年位が必要

それでも需要不足が懸念される経済なら何とかなるかもしれないが
日本は需要と投資が低迷していても労働人口減少の影響がそれ以上に大きくなってきている
どんなに金融政策や財政出動で景気を刺激しようとも生産力の方が落ち始めている
その中で大量に供給されたマネーが長期間残り続ける経済になるということは頭に入れておいた方がいいだろう
異次元緩和を始めて今までとは違う経済構造に変化する中で市中にマネーが長期間大量に供給されたままだ

日本の財政が何とかなっているのは低金利だからに他ならない
低金利の放棄は財政問題健在化と表裏一体だと考えてほぼ間違いないだろう
生産力が減退していく中で大量にマネーが供給されていく経済構造になっていくのに
今まで通り大丈夫かというのは相当に疑問だと思ってよいだろう

リフレの想定では日本は需要不足で生産力が余っていることが前提のリフレ論
リフレ派ですら生産力が不足していく中でのリフレなんて想定していない
その想定してない経済構造が成立しつつあるということを忘れてはいけない