市場主義は経済版の民主主義である。 第4市場 [転載禁止]©2ch.net

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反対にそれを批判する連中の正体は、官僚社会主義であり、
経済版の全体主義である。
市場の自由は参加の自由や経済のコントロールの民主化である。
官僚だけが経済をコントロールすれば良いと考えるのは、
経済のおける独裁、社会主義であり、国民の自由を奪おうと言う
考え方である。

392堺屋太一2017/06/04(日) 01:38:59.17ID:9Sgbrftj
この金融リスクの中味は、経済リスクだけではありません。時として名誉を傷つけられ
ることも、法令にひっかかることもありますから、そういったことも含めた条件を出さなければいけません。
当然これには、リスクの分担と分散が確実にできることが伴います。つまり、いろいろ
な種類の商品を買うことによって自分の持つリスクを分散することもできれば、自分が発
行した、あるいは自分が多く持っているものを、再保険、再販売、分割販売することによ
ってリスクを分散させることも必要であります。

393堺屋太一2017/06/04(日) 01:40:36.81ID:9Sgbrftj
そういう意味でもX 軸の多様性が大切です。多様な取引があり、そのそれぞれにリスク
が明確にされていることが良い取引所の条件でしょう。
あらゆるリスク商品が入って、リスクの程度が明確で、そして分担と分散ができる。
最後にZ 軸ですが、これは、金融商品が迅速、公明、安価に流れることです。現在、知
価社会におきましては、資金も土地も人材も資源であります。土地は資源なのか資産なの
か。お金は資源なのか資産なのか。人材は資源なのか資産なのか。これが非常に問題です。
日本は戦後ずっと土地もお金も人材も企業の資産であると考えてきたのです。いちばん
極端でわかりやすいのは土地でありますが、土地は資産だから、みんなが分散して持つべ
きだ。土地を1人でたくさん持っているやつには休閑地税をかけてやれというような、資
産分散的、再配分的思想が強かった。
ところが知価社会においては、これは資源であります。したがって、最も必要で、最も
上手に使う人のところに、最も安く、最も早く到着しなければいけない。石油や食品と同
じ資源ですから、資源の望ましき流通形態は、最も必要なところに最も安く、最も早く到
着することです。そういう状態になることが金融市場として必要であります。だから、手
数料は安くて、取引は24 時間続いていて、いつでも出入りがある状況にすることが必要です。
安価、迅速、確実ということは、すべての人が参加できるということです。同時に、す
べての人が忌避することができる。リスク市場に入らないこともできる。この点、リスク
の国有化をすることは、全国民を無理やり入れてしまうわけです。たとえば、銀行が破綻
したのを政府が補うとなると税金で補うわけですから、全国民がリスクを回避できない。
そういうのはよろしくないのでありまして、あらゆる人が参加できると同時に、あらゆる
人が忌避できる。これが金融市場のY軸の第2条件です。
もちろん、これには、あらゆる犯罪行為、不正行為が入り込めないことであります。ま
た、自己責任の原則が貫かれていることも当然です。

394堺屋太一2017/06/04(日) 01:44:40.84ID:9Sgbrftj
こういう3つの軸が完成した金融市場をつくればいいわけです。ところが、これはもち
ろん互いに矛盾していますから、なかなか理想的な金融市場などというものはできません。どうやってそれに近づけるかです。
となれば、投資者の側で、あるいはそれに関与する中間の金融機関の側で、これを補う
機能を持たなければいけない。これが、本日のシンポジウムのテーマになっております「企
業のリスクマネジメント」です。したがって、企業のリスク管理はどういう面から見るか
といえば、いま申しました三つの軸をいかに補うかという点を考えればいいのです。
これからの金融市場は競馬場みたいなものです。そこには馬券と入場券があります。入場券は、買えば必ず競馬が見られる。
これは確実に見られます。その意味ではノーリスクであります。
しかし、見た競馬がおもしろい競馬だったか、つまらない競馬だったかはわからない。
だから、競馬は確実に見れるけれども、金利の高低差は生まれてこない。その
程度のもの、いわゆるローリスク・ローリターンです。つまらない競馬というリスクはやはりある。
もう一方、馬券があります。これはハイリスク・ハイリターンであります。競馬場での
売上げのほとんどは馬券です。しかし、一般の社会にはそれほど多くのリスクマネーがあ
ふれているわけではない。したがって、馬券を入場券化する機能が必要です。これが保険
機能であります。金融機関がこれをいかにしてインシュアランスとヘッジなどを使って補っていくかが大事になってくる。
この問題の重要なところは、主として経済的リスクでありますが、時として社会的リス
クを伴います。昨日、この会場で議論されました「企業の社会的に責任」、これは何を言わ
んとしているか。企業の社会的リスクをいかに回避するかということです。企業が社会的
責任を負うことによって、社会的リスクを回避する、そういう問題なのです。
私は20 年近く前から、アメリカとドイツの研究者と共に、企業利益の質の問題(Qualityof Benefit)の研究をやってまいりました。
どのような利益の質が高いのか。利益の額は誰でもわかりますが、利益の質について、経営者はかなりのんきでいます

395堺屋太一2017/06/04(日) 01:48:32.21ID:9Sgbrftj
それは80 年代末に始まったことでして、当時、利益の額だけを追求する経営が多すぎる
ことから起こったものです。そのなかで、まず、質の高い利益というのは外延性の高いも
のである。グループの中や、企業の中ではなくて、どれだけ従来、企業と関係なかったところに利益を広げたか。これが第1の規準でありました。
第2の規準は、継続性でした。その利益が一時的なものか、継続するものか。継続する
利益であれば、今年100 万円の利益でも何億円にもなるものとして評価できるし、1回限りのものなら1億円は1億円です。この違いをどう考えるか。
3番目は、好感度、利益好感度というものです。利益を上げることで好感を得られるか
どうか。この好感の対象として、ステークホルダー、つまり利益関係者、これは取引相手、
株主、地域住民、従業員、全部ステークホルダーですが、そういう人の評価が大事です。
それから、世間の好感度、つまりステークホルダー以外の好感度と、二つの種類がある。
当時、ステークホルダーの好感度については言われていたのですが、それ以外の好感度
についてはあまり議論されませんでした。私たちの研究会は5年続いたのですが、ここで
は非常に議論したのですけれども、世間では当時、あまり議論されませんでした。
ところが最近のさまざまな事件を見ていると、社会的リスクは結構大きくなっています。
ちょっとしたことで大企業がパタンとつぶれることがありますから、世間好感度は極めて重要だということがわかります。
そういった利益を評価することによって、現在、実現していない、存在していない、あるべき最適な市場に、企業内において近づけるのではないか。
そんなことも考えられるところです。この企業リスクの問題は非常に広がりがありますけれども、これを本来はマーケット化する、
市場化するものだ、これが理想であるという前提で、それに各企業が、あるいは金
融機関がどうやって近づけるか。そういうことを考えていただくのが、到達しやすい発想ではないかと思います。
このリスクの問題は知価社会という大きな社会的変化の現象によって生まれているもの
であり、そういった観点から明確に意識して、その尺度を持って考えていただきたいと思う次第です。

396堺屋太一2017/06/14(水) 15:03:24.77ID:F8StfgTj
この規格大量生産型
工業製品でさえも、工場蔵出し価格は安いが、複雑な流通経路を通じて国内の消費者の手元に
渡るときにはかなり高価になってしまう。日本製の自動車やカメラは、東京よりもニューヨークの
ほうがずっと安い、という現象が現れている。

「値ごろ感」に安住しているからだ。
 輸出競争力を誇る規格大量生産型の工業製品も、実はこの仕組みから受益することで国際競争力も
維持してきた面がある。工場蔵出しコストを引き下げて国際競争力を維持する一方、引き下げ分の
多くを国内流通コストに転嫁してきたのだ。

合理化努力」の内容を見ると、本社管理機構や生産現場の人員を販売の
最前線、つまり営業支店や流通子会社に配置換えするのがかなりの部分を占めていた。要するに、
工場蔵出し価格を抑制することが合理化の主要な目的であり、このために工場の生産コストを
国内流通コストに付け替えたわけだ。
 したがって、蔵出しコストは下がり、蔵出しコストから算出される輸出価格は下がった。
しかし、そのために国内での流通コストはますます高くなり、内外価格差が拡大する結果となった

397堺屋太一2017/06/14(水) 21:24:34.64ID:F8StfgTj
 経済的営みは、物を造る(製造業)、価値を移す(物販、金融、通信など)、人を呼ぶ、の3種類。人を呼ぶ営みは、人を楽しませ歓ばせる積極的方向(イベント、観光など)と、人の苦しみや煩わしさを減らす消極的方向(医療、介護、安全、治安、保険など)がある。
 人を呼ぶためには意(Will)がなければならない。意とは、意志であり、意図であり、意味である。意が明確でないところに人は集まらない。
 人を呼ぶ上で重要な意味を持つのはイベントである。恒久的事業も臨時的なイベントの連続と考えてよい。
 イベントとは「臨時的な装置と演出によって、非日常的な情報環境を創造し、多数の人に対して、通常では感じられない心理的肉体的な刺激を与え、特殊な情報伝達環境を生み出す」事業である。
 臨時的(聖なる1回性)だからこそ大胆になれる。非日常性だから興奮を呼び、通常の採算性を超えられる。多人数を集めるから人と人のふれあう熱気が生まれ群衆ならではの心理効果が生まれる。
真実よりも印象が大事。参加者が持ち帰り次に伝えるひと言による情報波及効果こそが大切。イベント企画は、はじめからこの「ひと言」を想定して、企て(コンセプト)を作り謀(ストーリー)を練らなければならない。
 意志決定のコストはその商品が社会に普及するまではきわめて高い。当該商品が消費市場の5%まで普及すると急激に意思決定コストは下がりだす。
「みんなが持っている」の「みんな」とはおおむね5%。市場普及率が5%を超えると大量生産効果が出て生産コストが下がり、意志決定コストが低下して販売コストも下がる。
 専門業種で真に知価創造的なコアは100人である。コア100人は概して所得が高い、そのまわりのディープ・プロフェッショナル(1000人くらい)がそれに次ぐ。しかし、コアが活動できる期間は短い。もっとも息が長いのは行政や一般教職などの都市従業者。

398金持ち名無しさん、貧乏名無しさん2017/06/14(水) 21:28:29.72ID:F8StfgTj

399堺屋太一2017/06/14(水) 21:28:46.89ID:F8StfgTj
腹の立つことよりも面白いことを好む人は多い。イベントを成そうとする者はそのように信じ、そのように向けねばならない。
不況だからイベントができないわけはない。イベントをすることで景気がよくなり世間が浮き立ち政治はしっかりとまとまる。
 沖縄の美しさを宣伝するために招聘した篠山紀信(写真家)は、沖縄の人(特に女性)をモデルにした。それから沖縄のタレント探しが盛んになった。
沖縄アクターズスクールなどのタレント養成機関ができあがった。
このため沖縄出身のタレントは非常に多い。それもまた「美しい沖縄」のイメージ作りに役立っている。
 博覧会などのイベントの開催を提案した人は、断固としてその目的や好みを宣言し、押し通すべきである。資金を出す者は自分の意志を明確に発揮すべきである。
 ブレイン・ストーミングは個性と独創を阻む。大勢で議論すると独創的な企画は消され、前例のあるものが残る。
メンバーの中から技術的困難や未知の不安を言い出す者が出るから。芸術文化に多数決はない。
 代理店や総合研究所のような組織ではなく、発案者が信頼できる個人を探すべき。
 企画担当のプロデューサーと事務面の分担を明確にすること。事務局長には能吏を置き、企画や美意識に口出しをさせない

400堺屋太一2017/06/14(水) 21:31:19.72ID:F8StfgTj
プロデューサーは独創と面白さの追求に徹する。結果よければすべて良し、に徹するのがプロデューサーの仕事。
 がっちりと組み上げられた官僚組織は、一担当者が欠落するとその系列すべてが機能しなくなる。東ドイツの官僚組織は1989年秋にはそうなっていたらしい。
だから同年11月に一部市民がベルリンの壁を毀し始めたとき、東ドイツ政府は即応体制がとれなかった。
 プロデュース10段階。(1)意志の確立/理念の設定(2)コンセプト(概念)の明確化(3)ストーリー・メイキング(できあがったときの姿を描き、目標を示す)
(4)シンボル(3000万人以上の入場者と入場料800円などの象徴的表現)の設定(5)基本構想(プラン、スケジュール、仕組み)
(6)基本設計(空間計画、運営構想、予算設定)(7)問題点の究明と相互関係の確認(8)実施計画(9)総点検(10)実施設計、実行スケジュール、資金計画の確認。
 真に良質な文化は、誇りと体裁でスポンサードする個人や企業の協賛寄付も含めてみれば、必ず儲かるはず。真剣に取り組み、適切な場を与えれば、良質な文化は人びとに愛好され、話題となり、必ず儲かる。文化とはそのようにして育ったものである。
 終わりよければすべてよし。最後の完了に臨む者だけが真の歓びを味わえる。イベントは結果が大切であり、そのためには時として人間関係は後置される。
終身雇用や年功序列などの永続的相互関係を重視する日本型組織は苦手な仕事。それを克服するには「終わりよければすべてよし」の精神を徹底させることである。

401堺屋太一2017/06/20(火) 14:06:34.83ID:OlBys3fp
第三の形は、一時的な利益(効果)のために、組織全体を危くして顧みない「延長の誤謬」である。これもまた日本の官庁には一般化した現象だが、企業でも珍しくない。

機能体には長期的永続性ではなく、負担の最少性こそ重要である。つまり機能組織では、目的達成の効率が大切だ。従って、機能組織では構成員も能力のある期間のみ参加させ、その間に最大の能力を発揮させるのが最良である

組織は組織の作られた目的とは別に組織自体の目的を持つ。そしてそれは、構成員の組織人としての幸せ追求にも通じている。一旦共同体化がはじまれば、
それを肯定する人事と資源配分がますます強化され、やがては「正義」を以て語られるようになってしまうことだ

組織の問題には、組織の構造(体質)の問題と、組織の志向性(気質)の問題とがある

物財が少なくなった。さあ、困ったという閉塞感が広まったときに、物財に興味を持たない発展途上国の文化が入ってくると、
たいへん神聖な感じがします。そこで先進地域の人々が発展途上地域の宗教や思想に傾斜していく。これが古代から中世への転換点です。

402堺屋太一2017/06/21(水) 14:43:54.45ID:wqRlLF3r
組織を管理するために、必要な役割は、一部局一機能の長を任す「部門長」、組織のスタッフ部門、企画部とか開発部に当たる「参謀」、そして「補佐役」の三つである。
組織とは、それを作った目的と出来た組織が持つ目的とは異なるものであるため、組織を全体から見た合目的性を貫徹するためには、
組織全体のコンセプトを明確にし、その組織の目的を謝りなく伝え、基本方針の決定と伝達し、「総合調整」する必要がある。また、時には構成員の心理に打撃と混乱を生む事態も起きうる為、
トップは、時には個人的な人情を捨て、忠実な部下に不利益を与えなければならない。この場合、トップはよりよい方法で自らの役割を果たす必要がある。その方法は、あらゆる意味での「ことば」を利用し、
トップの意図や意向を表明する方法であるが、「ことば」には粉飾が避けられない為、疑われることも多い。よって、行動による指導を伴わなければならない。そして最後に、「雰囲気による指導」がある。
 次に、機能組織の現場の指揮者に適切な人材は、専門的な知識が深くなければならないこと、適切な判断力が必要であること、勤勉であること、
それぞれの指揮する部門の大きさに応じた範囲内での人心把握力があり、最後に、敵を恐れぬ適度の勇気とトップを恐れるほどの臆病さも必要であることが挙げられる。

403堺屋太一2017/06/21(水) 14:44:49.81ID:wqRlLF3r
 次に、動員計画から作戦や陰謀までを企画するスタッフである参謀には、「創造力」が重要であるため、情報の収集と分析を好み、先見性を養う必要があり、また、その創造力は、
常に現実可能性がなければならない。そして、企画に対する積極性が必要なのだが、時には、企画がトップまたは中央管理機構に拒絶された時には、固執しない発想の軽さも求められる。
 補佐役は、隠れている小さな問題点や日常的に発生する庶務雑事を発見・解消に努める役であり、世の組織を運営する上で、最も得がたい人材である。その条件は、自分の功を顕示しないことへの歓びである「匿名の情熱」や、
トップの基本方針の枠を超えないこと、そして絶対に「次期トップ」ではあり得ないことである。さらに組織が大きくなれば、悪役「負の補佐官」の存在も、トップの防壁等の役割を果たすため必要になってくる。
 組織が永続する上での重要問題として、「後継者」の選定または育成があるが、組織の中で、その地位を長く保つ最も確実な方法は、後継者を作らないことである。
 昔から後継者としての行き方には、事業も人事も、前トップのすべてを引き継ぎ、そっくりそのままマネをすることに努めるタイプ、
前トップの重用した老臣や重役に全てを任せ、自己の意思を出さないタイプ、前トップとは全く違うことをする三タイプに分けられる。

404堺屋太一2017/06/21(水) 14:51:42.92ID:wqRlLF3r
組織には「天寿」がないので、組織を預かる者は、常にその健全性を注意深く点検していかなければならず、
組織の点検も、いろんな角度と水準と方法で行わなければならない。また、組織と関わる者も、そんな用心深い考察が望ましい。組織点検の技術はきわめて広範な利用価値のあるノウハウである。
 組織を点検する者は、予算論、人員論、施設論、人材論に陥ることを避けなければならない。部門組織の長や組織の管理者は、この四つを持ち出す前に、組織的欠陥の有無を徹底的に点検してみなければならない。
 組織の点検とは、第一に「要素の点検」がある。組織的な視点での比較検討が必要である。第二段階の点検は、「中身の点検」、つまり効率検査である。組織の点検においては、常により効率的なやり方があるのではないかという視点から厳しく見る必要がある。
 組織全体としてより重要なのは、「仕組みの点検」、つまり体質検査である。この点検に当たっては、第一には、現に行われている仕組みが、どのような理想を描いて作られ、どのような目標を持ったものかを、明確に捉えることが必要である。
第二には、現にある仕組みが、どのような環境に対応して作られたものかを見極めることである。第三には、現にある仕組みが、どのような結果を生んでいるかをみきわめることだ。そして最後に、現にある仕組みが、どんな方向に作用するものか点検することも大切である。
 長く一つの仕組みを続けてきた組織が、陥りやすい落とし穴は、仕組みを変えずに、その欠陥を取締まりによって防ごうとすることである。これは、一時的な効果しかないのだ。
組織の改革を目指す者はみな、まず要素を点検し、次いで中身を改革しようとするが、中身を二度改革して効果がなければ、必ず仕組みを点検しなければならない。これを怠ると、組織は確実に衰退する。

405堺屋太一2017/06/21(水) 15:01:41.24ID:wqRlLF3r
情報技術の変化という環境変化があげられる。そもそも非属人的な近代的組織というのはあらかじめポストを用意しておき、
そこに適していると思われる人材を配置するという仕組みである。この仕組みは安定性がある一方、
必ずしも適任とは思えない人材であってもポストを埋めなければならないという難点をも抱えるものである。これは実に恐ろしいことである。
 しかし現実問題それほど悪い結果がおこるということはあまりない、むしろ「地位が人を作る」の文字通り最初頼りなくともいずれそれらしくなっていくものである。
 なぜなら情報環境を決定するのは地位であり、近代組織においては組織内の情報が地位の順に上下に移動するのからである。
近代組織はこの上下の情報の量と質のバランスによってなりたっているのである。
 しかし重要なのはこの組織内の情報流通が、主として対面情報交換によって行われていたということである。つまり人間同士が顔を見合い情報を伝達していたのだ。
 それが今直面している変革の波は、その形態まで変化させている。コンピューターの発達により、
コンピューターネットワークがあるところならいつでもどこでも情報を引き出せるようになったのである。
このようにコンピューターネットワークによりすべての情報が抽出できるとなった場合、前述した上下の情報の量と質のバランスが成り立たなくなるのである。
この情報伝達の変化は組織だけでなく、組織に属する個人にとっても深刻な問題である。
なぜなら現在の中高年が積み上げてきた対面情報の有用性が下がり、
中高年には不得手な人が多い機械情報の有用性が高まれば、組織における権威にも影響しかねないからである。
組織における権威は個人の持っている技術・知識・ノウハウによって決定されるべきなのである。

406堺屋太一2017/06/21(水) 15:15:00.06ID:wqRlLF3r
1.経営環境の大変化 2.三比主義からの脱却3.「価格ー利益=コスト」の発想
4.「利益質」の提言5.ヒューマンウェア(対人技術)の確立6.経営の理念=あなたの会社の理想像は

407堺屋太一2017/06/21(水) 15:18:53.02ID:wqRlLF3r
4.「利益質」の提言
利益質の基準には1.外延性2.継続性3.好感度がある。
車などが、街にあふれ、排気ガスの問題などが世間で生じるようになってから車の無制限な販売を批判する声がでてきた
世間好感度を得ることは、人材の募集から公的機関の支援や危機管理にいたるまで、企業経営と組織運営に大きな利益をもたらす。したがって、
世間好感度の得られる事業による利益は、そうでないものよりも、はるかに大きな潜在資産を生むわけである。

6.経営の理念=あなたの会社の理想像は
最後に全てにかかわる重要な問題は、企業の理念の確立である。難しく考える必要はない。経営の理念とは要するに企業の理想像、
つまり「どんな会社になりたいか」ということである。企業に、将来どうなりたいのかという理想がしっかりとあれば、
土地投機や財テクなどあまりしなかったはずである。人間にとっても、
組織にとっても、理想を知ることこそが理想を実現する第一歩である。「経営の理念」とは、
それぞれの企業の理想像、つまり「なりたい姿」のことだ。それを、経済的な有利不利にも、
世間での好評不評にも、将来の成長や不安にも捉われることなく探り出して見る必要がある。
それを、取引相手や従業員や世間に、どのような表現で発表伝達するかはまた別の問題である。
本当に「したいこと」「なりたい姿」を見つめる前に、経済的有利さとセ世間の評判と将来の安心を考えるのは本末転倒、経営の理念を見失う結果になるだろう。

408堺屋太一2017/06/22(木) 13:52:40.34ID:bd8vorys
独占が困難になる第三の理由として、一九八〇年以降の「大競争時代」には、新規参入が
しやすくなったことが挙げられる。
 七〇年代までは、産業施設は巨大化し、巨大化するほど大量生産利益が出て有利だと信じられて
いた。したがって、いったん巨大装置や大規模システムを持つ企業が出現すると、新規参入する
ことは事実上不可能だと考えられていた。つまり、企業の吸収・合併や、競争相手の打倒によって
独占を形成すれば、容易に独占価格を維持できたわけである。
 ところが、今や国際的な資本の流動が激しくなり、かなりの規模の参入が可能となった。
その一方で、コンピュータ化の進捗と需要の多様化によって、設備そのものが小型化した。
このため、あらゆるところから新規参入が起こりうるようになった。コンピュータ制御装置の
普及で熟練が不要となったため、発展途上国からの新規参入が容易になったことは重要だ。
現に、コンピュータ部品から石油化学製品や航空輸送まで、大小さまざまな商品サービスが
発展途上国の新企業からの挑戦にさらされている。
以上の三つの理由によって、法外な独占価格が長く維持されることは、政府の介入がない限り
ほとんど不可能になった。いや、国際競争と代替産業が参入する今日では、日本の国鉄や
コメのように、政府の介入があってさえも、独占価格は長期的に見れば破られてしまう

409竹内 靖雄2017/06/24(土) 23:45:45.26ID:GiGH0tWu
@安く買ったものを高く売る。 A安く作ったものを高く売る。 Bカネを貸して利子を取る。
Bも昔から金貸し、高利貸しによって行われてきたものである。これは要するに、
「一定期間カネを自由に使用させるというサービス」を売って、その代価として
利子をもらうやり方である。売るのは「カネの使用権」であってカネそのものでは
ないから、カネは一定期間後に返してもらわなければならない。これは百万円の
カネに、たとえば利子がついて百十万円に増えるので、いかにもカネが増えた、
自己増殖した、というふうに見える。
それを見て、プラトンやアリストテレス以来、哲学者たちはカネが利子(ギリシア
語ではトコス=子供という)を生んで自動的に増えるのはおかしいと考え、利子を
取って金儲けすることに反対した。キリスト教も同様に、利子を禁止する立場を
とった。金貸しはユダヤ人の仕事となり、ユダヤ人は憎まれながらキリスト教徒に
カネを貸し、やがてキリスト教徒自身も、利子を取ってもいいという理屈を工夫
しながら、金貸しをするようになった。今でも多くの人が高い利子を取るのは
不当であるという感情を抱いている。しかし利子とは、カネを使わせてもらうという
サービスに対して払う代価であり、それが本来タダ(利子がゼロ)であるべきだ
という理屈は成り立たない。

410竹内 靖雄2017/06/24(土) 23:51:14.80ID:GiGH0tWu
 この金貸しによる金儲けは、@の「安く買ったものを高く売る」形でも行うことが
できる。すなわち、安い価格=利子でカネの使用権を買い、それを高い価格=
利子で別の人に売ることで、その価格=利子の差額分が儲かる。これは銀行が
やっていることで、銀行は低い金利で預金を受け入れ、それを高い金利で
貸しつけることで儲けている。銀行は典型的な資本主義をやっているのである。
しかし、バブル崩壊後、政府・日銀が超低金利政策をとって、預金金利を
限りなくゼロに近づけていたのは、預金者を犠牲にして銀行が儲かるようにし、
銀行を助けていたことを意味する。国がこういうことをするのが社会主義なのである。
資本主義ではレフェリーは反則を取り締まるだけで、試合に手を出してどちらかの
選手を助けたりしない。社会主義では、レフェリーが時に一方の選手を殴ったり、
パンチを防いでやったりして、自分が勝たせたいと思う選手を勝たせるように
介入しながらゲームを管理するのである。

///////// 「日本型社会主義」との決別 /// 2001年発行日本経済新聞社

411金持ち名無しさん、貧乏名無しさん2017/06/28(水) 02:22:02.11ID:0Ozzo2Se
/// ジャパン・パッシングの時代 2 ////////
いまの日本は、依然としてコマーシャリズムを排除し、看板の規制も賭博の禁止も
きわめて厳しい。依然として「自由」と「楽しさ」を「正義」としていないのである。
 総資本主義化の時代を支配するのは、「大衆から代金を取って成り立つものが
生き残る権利がある」という消費者主権の原理である。特定の役人や文化人が
大衆市場から離れた評価を下して、税金(強制的に取り上げたお金)で文化や
産業を養う時代ではない。商品として消費者が購入する、産業として成り立つものが
生き残り栄えるべきだ。つまり、消費者大衆の選択こそ正しいというのが、消費者
主権の考え方である。
/////////////////// 「次」はこうなる /// 堺屋太一

/// 霞が関封建制 54 ///////////////
戦後から今日にかけて確立してきた官のエラさ、支配力の源泉は何か。
それは国民の税金を集めて使う権限にほかならない。官は税金から高給をもらっている
わけではないが、税金の使い方を決め、それを自分たちで使う権限をもっている。
これがいかに大きな「力」であるかは、日頃自分で稼いだ自分のカネしか使ったことのない
一般人には想像できないであろう。そして官のもう一つの力は、いうまでもなく、
ナワバリの中にいる企業や人間を規制し、保護するという仕事から発生する。そして
この仕事や規制の根拠となる法律は彼ら自身がつくる。規制や行政指導に従わない
企業や団体に対しては、カネ(補助金)を出さない、各種の許認可を出さないという
「制裁」を加えることができる。
//////////////// 「日本」の終わり ///竹内 靖雄

412堺屋太一2017/06/28(水) 20:21:21.57ID:0Ozzo2Se
人口減少問題は国家存続の危機であり、「焦眉の急の重大事」だ。最低でも年10万人の外国人を受け入れて「次世代日本人」を養成することが必要だ。
1976年に未来予測小説「団塊の世代」を発表した。47〜49年生まれの団塊世代は極めて多く、彼らの高齢化が終身雇用制度を持つ企業の負担となり、やがては社会保障費増で国の財政問題につながると予想した。
 しかし、当時の官僚や人口問題の専門家は「団塊世代の子、孫の世代と30年ごとに人口が増える」と耳を貸さなかった。当時、政府では人口増を前提に土地が足りなくなるとして可住地を増やすことに熱中した。
現代はどうなったか。団塊の世代の孫世代は出生率が低く、少子高齢化が進んだ。労働力減少で企業は人手不足に陥り、耕作放棄地や空き家の増加が問題となっている。今後さらに高齢化や過疎化は進むだろう。
外国人に日本語や法律、習慣を学んでもらい、試験も経て永住してもらうしかない。一番良い例は「相撲部屋」だ。外国人力士は日本語が上達し、犯罪も少ない。
相撲を通じて永住する意欲がある。企業も同じように、外国人だけの集団をつくらず、日本人の中で生活習慣を身に付けてもらうことはできるはずだ。
現在の技能実習制度は3〜5年で母国に追い返す。これでは外国人が日本社会に溶け込もうという気にならない。外国人による不動産や農地取得を緩和し、一定の語学力や資産を持つ人には永住権を与えてはどうだろうか

413堺屋太一2017/06/28(水) 20:22:30.75ID:0Ozzo2Se
経済成長を目指さず「身の丈に合った国」でいい、という意見も聞くが、人口減や経済停滞が「ほどほどの水準」で止まる根拠はなく、加速度的に縮小する恐れがある。
 日本はドイツのような移民受け入れになじまない、という論調もある。ただ、歴史をみれば17世紀や19世紀に日本は中国や朝鮮から大量の移民を受け入れた。
忠臣蔵で吉良邸に討ち入りした武林唯七(たけばやしただしち)の祖父は中国出身だ。工芸分野のほか、各藩の医師や書記となった者もいた。
 海外出身者が「次世代日本人」になった将来の日本では、明治維新後の「大正ロマン」のように美意識の多様化が起きると想像する。日本初の喫茶店を開いたのは中国人だし、神戸でハイカラ文化を生み出したのも中国人だった。
アジア諸国では今後10年で高齢化が進み、日本を含めた人材の争奪戦になる可能性がある。残された時間は少なく、政治主導で「次世代日本人政策」を進めるべきだ。

414堺屋太一2017/06/30(金) 15:37:58.46ID:tv8Ztx0A
二十世紀の前半に恐れられた「市場の失敗」の危険がなくなったわけでは
ないが、民間資本による独占はまず不可能になった。冷戦の結果、世界が
知ったのは、「市場の失敗」よりもはるかに恐ろしい「官僚の失敗」である。
 こうしたことが、経済の自由化を促し、総資本主義化の基本的条件を
生み出した。だが、これに対して、長い間、日本は懐疑的だった。

415堺屋太一2017/06/30(金) 15:39:22.55ID:tv8Ztx0A
 総資本主義化には、それを実行しているアメリカやイギリスにも批判はある。
「アメリカの経済は成長し、大小の企業が大量に誕生して失業者が減り、
技術は進歩して非常に活性化しているのは事実だが、貧富の差が拡大して
国民多数は必ずしも幸せになっていない」というのがそれである。
実際、この批判は、多くの人々に古くからある危険を思い出させる。
その一つは、ブラック・マンデー再来の心配だろう。
 一九八七年十月十九日、アメリカの株価が暴落した。この日は今も
「暗黒の月曜日」と呼ばれている。あれから十年余、アメリカの株価は
四倍以上に上昇したが、それだけに暴落を危倶する声は大きい。その
背景には、貧富の格差の拡大はいずれ需要不足を生み大不況に繋がる、
という伝統的な経済理論がある。
 ところが、現実には、アメリカ経済の活力は一向に衰えない。そうなると、
貧富の格差は拡大しても不況にはならない、それはむしろ肯定すべき
現象だ、というニューエコノミー派が登場した。
アメリカに住む単純労働者は、アメリカにいるがゆえにメキシコにいる人の
数倍、中国四川省にいる人の百倍の賃金を得ることができる。アメリカには
単純労働者でも高い生産性を上げられるような優れた組織や施設があり、
優れた経営者や技術者がいるからである。

416堺屋太一2017/07/01(土) 02:08:04.21ID:boSsXz8H
全体主義には、左翼社会主義と右翼民族主義とがあるが、この二つは、資本主義的
自由競争の結果として生じる格差を縮小することを意図して起った点では、共通の倫理基盤を持っている。
 違いは、社会主義は「入口論」、右翼民族主義は「出口論」ということだ。つまり、
左翼社会主義者たちは、生産手段によって生じる所得の格差に問題があると考え 生産手段の国公有化を主張した。
 一方、ナチスやファシズムなどの民族全体主義は、財産を所有して上手に運営する
のは国民経済にとってプラスだから生産手段の私有は許すべきだ、問題はそれに
よって得た所得で個人的に贅沢をする奴がいる点にある、財産に不均衡があっても消費を平等にすればよい、と主張した。
 そのため、学校は全部国民学校、自動車は全部国民車、服装は全員国民服、 遊びに行くのは国民休暇村、医療は一律の標準医療と、消費の規格を試みた。
 右翼民族主義者は消費を監督したがる。そのため「民族の文化」という均質性を
生み出そうとする。これがいまも日本の官僚社会には強烈に続いている、いや、いまこそ強くなった、といってもよい。
 学校の教師が生徒の服装や髪形を管理したがるのは、学校全体主義だ。
県の教育委員会や文部省が一律化して、より大きな全体主義をつくろうとする。
こんなことが許されている限り、日本が魅力的な国になることは絶対にあり得ない。
 税金は払わなければいけない。けれども、税金を払った残りを何に使っているかなど、国が関心を持つべきことではない。
 一部の週刊誌は覗き趣味的な編集を行う。これは止み難い人間の「悪しき欲望」だ。
けれども、国が消費に対して監督することを肯定する思想だけは、完全になくさ
なければいけない。日本には、いまなお全体主義的官僚統制思想が根強く残っているのである。

417堺屋太一2017/07/01(土) 03:12:15.79ID:boSsXz8H
「このままでは日本が亡ぶ」
 などとよくいわれる。いまもそんな危機感をもつ者は少なくない。しかし、
「亡ぶ」といっても国土がなくなるわけでもなければ、国民がいなくなるわけ
でもない。昔なら列強の植民地になることであったが、いまでは他国を
植民地にしようなどという野心をもつ大国もいない。
 従って、「日本が亡ぶ」というようを漠然とした危機感を掻き立てるのは
正しい警告とはいえない。現実の問題として、日本が直面している危険は、
「発展途上国に逆戻り」することだ。世界の中で相対的に経済水準が低くなり、
政治的交渉力と文化的影響力を失い、カネと人と情報が来ない「片田舎」に なってしまうことだ。
 戦後の体制をあと二十年も続けたら、日本は確実に発展途上国に 逆戻りするだろう。
では、一九九〇年代に入って、なぜ日本は遅進国になったのだろうか。その最大の
原因は、戦後の日本を成功に導いたシステム、「官僚主導型業界協調体制」にある。
 このシステムは、ある段階までは日本の進歩と成長に大いに役立った。
しかし、それが完了したとき、このシステムでは、それ以上の発展は困難になった。
自ら創造性を発揮する個性の育成と活用ができないからである。
 一方、一九八〇年代から九〇年代に入ると、世界は著しく変わり、猛烈な速さで 進み出した。
 その進歩をつくりだしたのは、冷戦構造の終焉によってはじまった総資本主義化 現象である

418堺屋太一2017/07/02(日) 15:10:53.22ID:YluiXdyF
私は、鉄道の専門家ではございませんが、経済学と、それから万国博覧会というものを何度もプロデュースしてきて、多数の技術、人員、要素にま
たがった仕事をいかにやるべきかというような経験を積んでまいりました。現在、上海で万国博覧会、上海世界博が行われておりますが、
これは1984年から私が26年間、何十回も上海に通って作ったものでございまして、初めての人にこういうものを指導すると
いうのはどういうことかというのも十分経験いたしました。28歳のときに日本万国博覧会を開こうと言って、そのとき、今少し最後に出ましたけ
れども、技術というものは発明するのではなしに集めるんだ、技術をいかに探すかというものが大事だと。この事業は、幸いにして8年間で完成をいたしまして、
292億円の黒字を出しました。当時の国家予算の約0.8%、今日でいうと70億円ぐらいに当たるわけです。
それで、今までいろいろなプロジェクトを調べまして、東京オリンピックから東海道新幹線、どこやらの高速道路、
本四架橋、アクアライン等、あるいは関西新空港とかを調べて、予算の範囲内でどんぴしゃり合ったのは、日本万国博覧会と、今回の上海の私たちが
やっている日本産業館、これは全く白紙で敷地も決まらないときに国のお金として429
億円かかりますと言ったら428億8,900万円で終わった。これはどこかというと、プロデュースシステムなんです。
公共事業をおやりになるとき、例えば東京オリンピックもそうでしたし、関西新空港なども深くかかわりを持たせていただいて、そうなんですが
めちゃくちゃ増えるんです。これが私は一番問題だと。いかにいい技術でも経済的採算の合わない事業は、国防とかそ
ういう面は別として、およそ世界に通用しないし、日本でも通用しない。それで、つくったけれども使われないとか、あるいはせっかく成田にあれだけのお金をかけながら、
また羽田へ持って帰るとか、世界中を見ますと、仁川と金浦とか、全部分かれております。ま
た、日本だけ持って帰らなければいかんとか、どこがよくないかというと、総合プロデュースの段階でプロデュースシステムができていない

419堺屋太一2017/07/02(日) 15:18:21.15ID:YluiXdyF
だから、今回の事業をJR東海がお進めいただくときに、全体の問題、技術の問題、経営の問題、資金調達の問題、人事の問
題、PRの問題を一体的に掌握することが一番大事なのではないかと思っています。中央新幹線に日本の新技術をお使いになる、
リニアをお使いになるということは、世界への技術宣伝効果からも、今、日本はだめだという感じがはびこっておりますから、
私たちの青年時代までは日本はアメリカの次に強い国で、野球でも準優勝ではいかんと言った
のが、今度は16位に入ったらサッカーは大喜び。神様扱いで、よくぞ日本が16位に入
ったということになっておりますが、こういった国民の士気の低下をいかにして食いとめるか。実は、これは深刻な問題です。
例えば、今、中国の万国博覧会で電気自動車が非常に発達いたしました。人口50万人毎日来る町に、ガソリン車が1台も入っていない。
救急車もごみ集めもパトカーも、全部電気自動車で行くというシステムになっている。これは、自動車業界の方に言わせると、
日本は20年経ってもできないということができちゃったという感じなんですが、それぐらい差がついちゃったんですね。
電気自動車ではもうだめだから、リニアぐらいは日本が取り返したいという意味で、私はぜひ推進していただきたいと思うんです。
しかし、赤字になったら、全く技術は意味ありません。いかなる優秀な技術も、赤字になったら意味がない。そのことはコンコルドでよく示されました。
あれはすばらしい技術の塊でございましたけれども、経済的採算が合わなかった。たちまち――たちまちとは言
いませんが、二十数年間で大赤字を出して廃止して、あの技術を継承しようという人は、今、どこにもいなくなってしまいました。全くだめな技術だと。
あれだけ高度の技術が全くもう人類文明から否定されるという事態が起こっております。
そういう意味では、技術的成功として高速運転、短時間運転、無事故、それからフリクエンシーが大事です。どれくらいの頻度で動けるか。
2時間待たなきゃ次に乗れないというのでは新幹線に乗ってしまいますから、フリクエンシーの問題がすべての交通機関の一
番のポイントであります。それから、経営的な成功、採算は絶対に黒字にならなきゃいけない。初年度から黒字にならなきゃいけないでしょう。

420堺屋太一2017/07/02(日) 21:43:27.00ID:YluiXdyF
それから、高いサービスと乗客の好評が大事です。この両立を不可欠にするためには、経営的に赤字を出さないほどほどの
技術。どれほどの技術をつくればいいか、そういった評価が大事です。
技術者にお任せすると、どうも高級技術をつくる。家田先生はガラパゴス現象と言っておられますが、私はゼロ戦化現象だと思っておりまして、
どんどん高級な専門家ばっかりで技術をつくると、素人が使えないものになって、ベテランパイロットが死んだら一遍に負けちゃうという事態になるわけです。
そういう心配が非常にあります。経営の失敗的原因というのを探ってみますと、極めて明確に出てまいります。これまで
の国土開発事業で経営的に失敗した例を見ますと、まず第1は需要の過剰想定です

421堺屋太一2017/07/02(日) 21:49:43.81ID:YluiXdyF
ひもといてみますと、本四架橋もアクアラインも全部黒字だという前提でやっております。ど
こが黒字かというと、需要が非常に高く想定されているんです。その需要が高く想定された一番の原因は、発達の遅れた部分、本四架橋でございますと四国側、
アクアラインでいいますと千葉側にものすごい需要が発生する。住宅地ができる、何ができるといろいろ書いているんです。これが非常によくないところであります。
したがって、この問題の第2点は、リニア新幹線ができますと、今の国土政策を続ける限り猛烈なストロー効果が起こって、
名古屋や大阪は劇的に衰退するでしょう。そして、需要が激減するに違いありません。これは大変奇妙な現象です。交通と通信が便利になる
と首都圏一極集中が進むというのは、日本だけの現象です。1980年以来、世界の主要国で経済と文化の一番大きな都市が全国比重を高めた例は、
全くどこにもありません。一時、イギリスのロンドンが少し上がったときがありますけれども、他はがた落ちです。私もパリに家を持っておりましたけれども、
パリ及びイル=ド=フランスなんていうのはがた落ちで、80年代初めには上位100社のうち88社がフランスのパリ近辺に本社を置い
ていましたが、今は58社。どんどん外へ出ていきます。ところが、日本は全く逆なんです。どんどん東京に集めています。
特におもしろいのは、我々の業界、物書きの業界でございまして、かつては鎌倉、京都にも文人がたさんいました。ところが、電話が直通になると、
鎌倉には住んでいられない。ファクスが始まると、鎌倉みたいな遠いところにいてはだめだというので、皆さん大
体世田谷区の等々力あたりに移住されました。今度、コンピューターシステムになると、ほとんど全員港区に事務所を持たなきゃいけない。
もう鎌倉なんかに住んでいられないと。そういう需要に一番関係なさそうに見える、私の家内は洋画家ですが、洋画家というのは
芸術院会員全員首都圏ですからね。ほかには絶対住めないと。それで、東京の絵をかいていることは一枚もありません。これが日本の一番ポイントなんです。
要するに、東京にマスコミを全部集めて、世界に類例のないキー局システム、出版会社を東京に集めてくる

422堺屋太一2017/07/02(日) 21:58:24.94ID:YluiXdyF
歴史上全く初めての流通コントロールで東京にしか取次店を置かせない。一時関西につくるとか四国にということがありましたが、全部つぶしました。
そういう状態が続いている限り、このリニア新幹線ができると、東京以外は全部田舎になるだろう。これは財界の人
も皆さんお認めのところであります。そうすると、需要は激減します。このことをどういうふうに見ておくか。
したがって、国土政策の変更とともに、このプロテクトを考えなければならないと思います

423堺屋太一2017/07/02(日) 22:03:15.51ID:YluiXdyF
例えば、これぐらいの需要があるだろうなどという空想的結論を先に出して採算をつくり出すというようなことは、
絶対にやってはいけないことだと思います。したがいまして、地元の要望や時代の要求に応じ過ぎるという欠点があります。
例えば、関西新空港などはちょうど成田の問題などがあって、それを回避するのが第一だと。88年当時のビデオを
見ていただきますと、成田の失敗を繰り返すなというのをあらゆる番組が40回ぐらい言っている。何か言ったら成田の失敗。
だけれども、その結果、沖合へ出したとか、いろいろなことで大赤字を出して、しかも不便になって、結局、今も問題点を残しています。
そういうことは、断固避けなきゃいけない。当時の雰囲気としては、経済が成長するから、それぐらいはいけるだろうと言ったのですが、
これが問題です。もう一つは、お金で済むことならという意識がものすごくあります。特に、技術のすぐ
れたものを追求するために、お金で済むことならと、すぐ言うんです。5億や10億、5,000億や6,000億と言うんですが、
お金で済むことは最も大事なことでありまして、お金で済むことは技術をつぶすことです。これは肝に銘じて考えなければいけない。
私たちも日本万国博覧会をやるときなんかは、世界的行事で国賓だけで36人も来るから多少のことはと言ったんですけれども、絶対に使わせなかったから残りました。
そういうプロデューサーがぜひ必要だろうと思います。その次は、少数の反対とマスコミの論調を恐れることです。関西空港はいい例なんです
が、神戸に造ろうとしたときに6人の主婦が反対に押しかけたために、それがだめになりまして、今のところに決定しました。
その後、神戸市は反省して、神戸空港を造るなどと言い出して、小さな空港を造る羽目になるわけなんですけれども、少数の反対をいかに説
得していくか。このヒューマンウエア、対人技術は、日本はほとんどゼロであります。日本の企業が終身雇用で忠誠心のある
従業員のみを前提にしておりますから、そういうところが発達しません。博覧会など、6カ月しか雇わない人を使ってみると一遍にわかります
けれども、いかに日本が遅れているか。今の中国と比べても格段に日本のヒューマンウエアの遅れが目立ちます。マスコミの論調をいかに誘導するかも大事なところであります。

424堺屋太一2017/07/02(日) 23:09:00.28ID:YluiXdyF
その次に、このプロジェクトの問題として、建設主体の問題があります。建設主体が今はJR東海でございますが、かつて国鉄であった、
あるいは国であったというような事業を見ますと、技術的満足を求め過ぎる。これがゼロ戦化現象の原因なんです。技術者が技
術的満足を求め過ぎる結果、上等なものを作るんですけれども、上等なものというのはど
んどん需要が先細りになるんです。鉄道交通機関というのは、やはり大衆品、大勢乗ってくれなければもうかりません。
特に、今そうなんですが、ある技術の末期になりますと、超高級品が出るという現象があります。例えば、鉄道が始まったとき、衰退産業になりました
馬車は超高級馬車をつくるんです。今も博物館にありますけれども、12人乗り寝台馬車というものをつくって鉄道に対抗しようとした。飛行機が始まった初めには、超高級汽船が出ました。
今の汽船は遊覧汽船ですから、カリビアンとか何とかで走っているやつは行ったところへ戻るので、交通機関ではありません。
ところが、オイローパ号とかクイーンエリザベス1世の時代は交通機関として競争しようとした。必ず超高級品が出ます。それで、非常に高いものにな
るという現象があります。リニアモーターカーも最後の鉄道として超高級、不採算に陥らないかどうか、これは十分に研究、検討する必要があります。
2番目には、資金計画の自己完結型の考え方です。今や世界中、資金は市場で調達するものでございまして、自己で積み立てるものではありません。これは大変重要な、198
5年ぐらいから始まる地価革命の最も重要なポイントなんです。したがって、採算を考えてJR東海さんがおやりになるにしても、どのようなファンドを組むか、どのような資金
調達をするか。償却を積み上げて実行するというのでは、次に述べますように、この事業
は採算に乗らないでしょう。だから、JR東海さんが社債を発行するか、特別ファンドを組むか、とにかく一気に東京−大阪をやらないと、東京−名古屋で途切れると絶対に採算
に合いません。これはおよそ経済、経営を知っている人なら、だれでもわかる話でござい
ます。そこはもう短時間で、それから建設利子が、今は安いですけれども、かさみますから、短時間で一気にやらなきゃいけない。

425堺屋太一2017/07/02(日) 23:17:51.67ID:YluiXdyF
東海道新幹線は五、六年でできたんですが、最近はどんどん長くなっています。中国のチベットと青海省を結ぶ鉄道なんていうのは、
海抜5,200mの希少な空気のところを通るんですが、わずか4年弱で造っております。日露戦争を急いだときのシベリア鉄道も、
全線4年でできているんです。そのぐらいのスピードでやらないと、鉄道というものは利子がかさむからできないと。帝政ロシアでもそう言っておりますし、
中国でもそう言っておりますから、この点は真剣に考えていただきたい。これは非常に重要なポイントです。
交通専門家は、交通専門家でなければわからないという思い込みがあります。これは一番危険なことでございまして、経営、金融の専門家がやはり中核に座るべきです。
あらゆる組織というのは、私の組織の盛衰を見ていただくとわかるんですけれども、一番最初にできた組織というのは技術長と事務長が完全分離から始まるんです。
これはエジプトの王妃の谷をつくったときに生まれたもので、日本でも大仏司と大仏造営司は別にできております。事務長の権限というのが圧倒的に強くやらなきゃいけない。
技術長の権限が強くなると、必ず失敗いたします。このこともまた重要なことです。それから、国粋主義に陥る。これは今、先生からもお話ございましたように、
日本の技術でなきゃいけない、我々でないとできないということを考えてはいけないということです。私どもも、万国博覧会などをやりますと、あらゆる技術が要ります。
映像も展示もシステムも相当なものが要ります。日本万国博覧会のときには博覧会協会のコンピューターはアメリカ国防省に匹敵する規模になりましたけれども、
それぐらいいろいろなものを使うんですよ。そのときに、これはできないと土木技術者、建築技術者が言うものがあって、それをぽんと公表すると、
例えば、ご記憶かと思いますが、40年も前の話で恐縮ですが、大屋根というのがあります。これを地上で組み立てて持ち上げる。足場を組むと時間がかかって費用がかかるから。
それを持ち上げる技術が日本の建築業界ではなかったんです。当時、まだホームページはあまりなかったんですが、それを世界中に公表いたしました。

426堺屋太一2017/07/02(日) 23:26:32.62ID:YluiXdyF
そうすると、アラビア湾で石油の掘削を持ち上げている技術が使えるという話が入ってきした。それで、あれが完成できたんです。
日本では、まさか石油屋という発想はなかったんですが、そういうものが出てきます。だから、国際技術あるいは鉄道技術だけにこだ
わらないということが必要になってまいります。現在の計画の問題点でございます。
私の伺っておる範囲では、間違っているかもしれません。新聞、雑誌、その他、いただいた資料等で確認したところでは、まず東京−名古屋だけを造るというのでは大赤字にな
ることは確実です。というのは、品川から発車して名古屋まで行くということになると、東北新幹線等のつなぎの問題もございますし、
飛行場化するんです。新幹線は速いけれども、行くまでに時間がかかると。
交通というのは慣れがございますから、すぐには変わりません。名古屋で乗り換えて大阪というのは、非常に非現実的です。大体エレベーターで
真っすぐ上にあったとしても、到着と同時に発車することは考えられませんから、五、六分の乗り換え時間でも大変な抵抗になります。これは専門家でない人は非常に嫌がるんで
す。だから、不動産価格でいうと、急行駅と乗り換え駅でどれぐらい違うか見ていただいたらすぐわかるんですけれども、やはり乗り換えは不可能だ。そうすると、当分の間、大
阪行きは現在の新幹線ひかりが使われるだろう。そうなると、東京−名古屋間というのはかなり赤字になるでしょう。そこへ、先ほど言いました地方の衰退化が起こります。名古
屋も、ここのところ自動車産業の流出で景気があまりよくありませんが、この調子では名
古屋−東京間の需要は相当激減すると見なければなりません。その次に、空港化の心配というのがあります。これは、新幹線は速いけれども、着いて
からが不便だということであります。品川駅をイメージするとすれば、他との接続はどうか。これは、成田、新関西、
セントレアでも散々苦労したところでございまして、この接続問題というのは大変問題です。したがって、東京を品川駅になさって、大阪は新大阪に
着くというような計画でなければできないのではないか、鉄道ネットワークにならないのではないかということです。

427堺屋太一2017/07/02(日) 23:30:49.75ID:YluiXdyF
それから、現在の東海道新幹線がかなり赤字になるでしょう。特に、東京−大阪以外の、京都はまだましですが、途中乗車客は今後相当の速度で激減するでしょう。
このシミュレーションは国のお考えではいつも甘いのでございますけれども、この激減は相当すごいものだと思います。したがって、
できるだけ早く制度、国土政策を考える必要があると思います。他の新幹線との接続をどうするか。中央新幹線と東海道新幹線、それから東北新幹線、
上越新幹線、東海道は品川で接続しますけれども、他の新幹線との接続はどうするかという問題も重要な問題です。品川で降りて東京駅まで山手線で来るというのは、かなり負担
になると思います。できれば東京素通りの列車、仙台発大阪行きというのがあるべきなんこの計画に当たって企画院等が考えましたのは、これから戦争に向かうに当たって、規
格大量生産をしなきゃいけない。日本の国土は規格大量生産の近代工業社会を形成するものにするということになりました。そのためには、東京一極集中でなければならない。強
引な東京一極集中政策がとられます。その中で、産業、経済の中枢管理機能と情報発信機能と文化創造活動は東京都以外でしてはならないという決定があります。
これは非常に強烈かつ厳格に守られています。そのためにどうしたかというと、各産業の全国センターをつくらす。電気事業連合会とか自動車工業会とか銀行協会、
その事務局は全部東京都以外に置いてはならない。東京以外にあるものも集める。です。それがどうしてできないのか。
いろいろ議論があるようでございますけれども、東北新幹線、上越新幹線を品川まで延伸するのかどうか、これも一つの問題になってくると思います。
さて、最後に、最大の問題でございます。中央新幹線は日本の国土構造を全体的に変えるだろうと思います。計画に当たっては、
中央新幹線が日本の国土構造を変えるということを徹底的に考えてもらいたいということです。
日本の国土政策は、ご存知のように1940年、昭和15年から16年にかけて帝国国策要綱、その他で決められました。これをぜひもう一度調べ直して、
そこからいかに脱皮するかを考えてもらいたいと思うんです。

428堺屋太一2017/07/02(日) 23:37:24.72ID:YluiXdyF
この計画に当たって企画院等が考えましたのは、これから戦争に向かうに当たって、規格大量生産をしなきゃいけない。
日本の国土は規格大量生産の近代工業社会を形成するものにするということになりました。そのためには、東京一極集中でなければならない。
強引な東京一極集中政策がとられます。その中で、産業、経済の中枢管理機能と情報発信機能と文化創造活動は東京都以外でしてはならないという決定があります。
これは非常に強烈かつ厳格に守られています。そのためにどうしたかというと、各産業の全国センターをつくらす。電気事業連合会とか自動車工業会とか銀行協会、
その事務局は全部東京都以外に置いてはならない。東京以外にあるものも集める

429堺屋太一2017/07/02(日) 23:40:27.46ID:YluiXdyF
私が通産省に入りました1960年代は、 まさにその政策の真っ最中でございまして、大阪にあった紡績協会以下、繊維団体12団体の事務局をいかに東京に移させるか、
これが当時の、繊維局というのがあったんですが、
最大の問題でした。96年に日米繊維交渉の摩擦が起こったとき、当時の三宅幸夫繊維局長は、局長室に「敵は米国にあらず大阪なり」という看板をかけて、お笑いになりますが、
これは深刻な話です。その次に、テレビの割り当てができた。日本で最初の民間放送は大阪の新日本放送と名古屋の中部日本放送でしたが、
テレビの免許を与えるときにはキー局システムという世界に全く類例のない、東京のキー局でないと番組編成権がないという途方もない制度をつく
ったんです。だから、全部東京へ集まりました。書籍については、1940年に東京一極集中、取次店は東京に集められてしまった。
これは何と49年、戦後にだって実行しているんです。戦後、東販、日販に合併して、例えば大阪で印刷した本を尼崎市で売るにも、必ず東京へ持ってこないと絶対売ってはいかん
という制度をつくったんです。それから、文化の点につきましても、特定の目的の劇場、施設は東京にしか造らない。
歌舞伎座は東京にしか造らないとか、国技館のような中央を見られる体育館は東京以外は造ってはいかんと、そういう政策を全部とりまして、その結果、東京一極集中となった。
今、製造業が衰えまして、地方の工場がどんどん減ってまいります。情報産業とか東京集中産業だけが増えるようになっているんです。したがって、地方の雇用は非常に落ち込んでいます。
それを支えるような様々な細かい政策も、特にこの3年間非常に増えました。この転換がないと、うまくいきません。テレビのキー局の地方分散、書籍流通の自由化、
公共事業の地方主権、金融・医療・福祉等の地方特区の拡大、国際的、全国的行催事の地方開催の促進(国の助成や共催を首都圏以外とする)といったことを同時にやっていただ

430堺屋太一2017/07/03(月) 00:03:31.50ID:wlTP7I3l
かなければ、中央新幹線は黒字にならないだろうと思います。技術の問題は技術の方々がやっていただけると思いますが、
それをバックアップする経済政策とプロデュース方法がないと、この事業は、日本があんなものをやって大赤字、ざまあみろになりかねないとい
う心配が非常にあります。経済が成長し、人口が伸びる間でございますれば、少々最初赤字でも、もうじき黒字になるよと言っていられるわけですが、
今度は逆でございますので、総合プロデュースに当たられる方に20年ぐらいは絶対に権限を持ってやっていただく

431堺屋太一2017/07/03(月) 00:12:21.47ID:wlTP7I3l
その周辺にプロデュースシステムを確実につくる。だから、 JR東海の社長さんあるいは会長さんがおやりになるなら、20年ぐらいはその座にあって、たとえ90歳になっても頑張るというようなシ
ステムがぜひ必要です。実際、各地の大事業、最後に終わったときというのはそんなものですよね。ニューヨーク・セントラル鉄道は、 バンダービルトという人が69歳から86歳まで頑張ってつくったんです。
決して年齢の問題ではありませんから、JR東海の方に、 だれかそういう人を見つけてやっていただきたい。赤字にしてはいかんというのは、第一の最大のポイントです。
日本は安全を重視する国で、安全のためなら経済はどうでもいいということですが、外国ではなかなかそうは言いません。
今のアルプスの列車がその典型でございますけれども、楽しみのためには多少の危険は承知だと。例えば、皆様方がよくご存知のデイトナ500
という自動車レースでは、年平均18人死ぬことが前提になっています。リオのカーニバルでは160人死にます。それでも、楽しみのためにやるんだということなんです。
日本だけの特定の発想でやったら、必ず赤字になってガラパゴス化することが非常に心配です。この点、まことに言いにくいことですけれども、 やはり世界的な基準で黒字の中央新幹線を造ってほしいと思います。

【堺屋元経済企画庁長官】例えば関西新空港をつくるときにはその地域の土地開発を一緒にしたらいいとか、全部その話は出ました。そし
て、全部失敗しました。だから、よほどそれは厳格にお考えいただきたい。もちろん、東
海道新幹線の乗客の変動というのを加味しなくてはいけませんが、その点は非常に厳格に 考えておかないと幻想に終わるんじゃないかと思います。

432堺屋太一2017/07/03(月) 00:18:08.13ID:wlTP7I3l
【堺屋元経済企画庁長官】
私は、国の関与は最低にすべきだと思います。一切資金には関与しないほうがいいと思うんです。
というのは、現在、国際市場で動いている資金は膨大ですから、国から借りなければで
きないような話ではございません。このビジネスモデルがいいと思われたら10兆や20兆、すぐにでも集まる時代なんです。
だから、国際的な金融マンが、これは確かなビジネスモデルだと思ってくれるものになるまで、技術的にも経営的にも練るべきだと。ここで
世界的に金融マンが認めないものを国が出すとなりますと、たちまち青天井になります。
だから、絶対に国はお金を出してはいけない。あえて言えば、政策投資銀行の融資がどう
かというぐらいで、今、日本のしっかりした事業ですから、1.2%ぐらいで集められます
から、ビジネスモデルさえ組めば会合で調達できると思います。そのほか、安全面とか社会的な問題では国の関与はもちろん必要でしょうけれども、
事業はやはり民間企業でやっていただくのがいいのではないでしょうか。

433堺屋太一2017/07/03(月) 00:19:09.43ID:wlTP7I3l
堺屋元経済企画庁長官】
私は、正直言いまして、東京−名古屋をつくると、それが赤字になって、その赤字負担だけで次の事業は全くできない。
これは確実だと思います。資金の問題を償却費の積み上げでやるという時代ではありません。これがこのプロジェク
トの一番の問題点だと思うんです。いいビジネスモデルを出して国際的資金調達をすると
いう前提でないと、JR東海の償却費でやるとすれば、これは赤字の負い目で結局できないだろうということは思います。
それから、計画を拝見しますと、もう一つ、現在の東海道新幹線の乗客の減少率が甘いんじゃないかと思うんです。先ほども申しましたように、東京一極集中を進める政策をと
る限り、劇的な勢いで減ることは目に見えています。人口減少とかそんな問題ではなくして、東京に住みつく人が非常に多くなる。
地方の大学教授でも地方の政治家でも、引退したら全部東京へ来ています。仕事がなければ東京だと。仕事があるから、しょうがないか
ら単身赴任しているという現状を打ち破らないことには、どんどん減ります。この予測が非常に甘いんだろうと思います。
だから、むしろ一気につくって、そして同時に国のほうにも国土政策の転換をお願いして、全国各地を盛んにする。
公共事業ではなくして情報産業で盛んにするということを打ち出さないと、公共事業や製造業に従事をする人は、おそらくこれができるときには製造
業の従業員は10%を割っているでしょう。今、20%ぐらい。アメリカはもう12、3%。
そういう状況の中で、どうしてリニアモーターカーに乗る人がいるかということを本当に真剣に考えてもらいたいんですよ。そうすると、やはり東京−大阪は必ずつくって、
そして大阪駅で中央新幹線と山陽新幹線がつながるようにする以外にないのではないかと考え ております。

434堺屋太一2017/07/03(月) 00:33:31.34ID:wlTP7I3l
【堺屋元経済企画庁長官】
道州制が導入されると、地方に今よりは情報産業や高技術 産業、例えば医療や介護の拠点ができます。したがって、全国交通量は増えると思います。
これは、例えばフランスでもパリの比率が下落した、あるいはベルリンに人を移したドイ ツでも、ニューヨークの比率がじゃんじゃん落っこちているアメリカでも、最大都市の全
国批准の下落と交通量の増加はかなり比例します。したがって、この沿線はどうかという
問題はありますけれども、道州制ができれば、地域間流動はある程度、幾らか必ず増えると思います
【堺屋元経済企画庁長官】
第1に、地方分散と言ったのは、あくまでも規格大量生産の近代工業社会をつくる という前提の中での話であります。
これは、私も90年代、国土政策委員をして相当議論 をいたしました。それで、政府のほうから、確かにそうだと。近代工業社会、規格大量生
産をつくるためだけにやっているのであって、それ以外は全部東京集中だということをは っきりと言われました。
規格大量生産のために分散するものは、手足の機能である。頭脳 の機能は全部東京に集めるんだと
これは、もう明確に戦争中――戦争中は結局できなか ったんですが、戦後実施してきた。東京に頭脳の機能は全部集めなければ、規格大量生産
はできない。規格は東京で定める。そして、手足の機能は地方に分散するのである。手足 の機能は何かというと、農業と製造業と建設業である。
この3つを分散するのであると。 それ以外は東京以外に置いてはならない。分散どころか、置いてはならないという固い決
意が、例えば当時の大蔵省、銀行局にもありました。あるいは通産省の企業局にもありま した。
もちろん運輸省にもありまして、第二国際空港議論というのが延々と続くわけです。 至るところにそういう発想がありました。
規格大量生産の規格の部分は東京以外で作ってはいけない。だから、昔は国鉄でも奈良 の駅は五重の塔に似せた。
長野の駅は善光寺さんに似せた。いろいろデザインを考えたん ですが、新幹線になると、そういうデザインは考えないで全部一律の規格品になりました。
それは大変徹底した方針であり、動かすことができない方針だったんです。製造業がどん
どん伸びている間は地方も栄えました。工場が生まれるときは栄えました。

435堺屋太一2017/07/03(月) 00:43:46.01ID:wlTP7I3l
全国総合計画も新産都市工特地域というのをつくりましたが、その中に明確に示されて
いるのは、新産都市が持つ都市機能は地域住民のものである。全国のものではないと。例
えば病院をつくる。これは地域病院である。学校、大学をつくる。地域の大学である。だ
から、浜松の病院に東京の人が通院するような施設はつくる必要がない。それは東京につ
くるのであると。これが非常に徹底されたんです。産業政策では各産業の全国センターは
東京以外につくってはならない。だから、銀行協会は東京につくって、銀行協会会長は東
京本社の銀行以外は認めない。三和銀行と住友銀行と東海銀行はだめと、はっきりと。そ
ういう政策を強烈にしているうちに、当たり前になっちゃったんです、日本だけは。とに
かく東京へ全部集めるのが当たり前になった。
今、書籍の流通が、大阪で印刷した本は東京へ持ってこないと尼崎市で売れないなどと
いうことを知っている人すらもういなくなっている。当たり前のことだという時代です。
例えば、名古屋の放送局でテレビ番組を作って、これを全国放送にしてもらおう。関ケ原
1600年のときに私はそれをやったんですけれども、そうすると、東京のキー局に許可
をとらなきゃいけない。これは大変面倒で、結局、スタジオは東京を使わないと許さない
という結論になるんです。地方で番組を作ると、必ず伝統文化か伝統行事、伝統産業を入
れろと。そうすると、皆さんが見ておられて、地方には衰退する産業と古い文化しかない
と思われる方が非常に多いんです。例えば、竹下族というのはどこから生まれたか。東京
の竹下通りから生まれたと思われていますが、あれは神戸から生まれたんです。だけれど
も、そんな報道は入りません。東京に来ないと流行と言わないんだから。そうすると、若
者はみんな東京にあこがれます。

436堺屋太一2017/07/03(月) 00:48:35.23ID:wlTP7I3l
私が経済企画庁長官のときに、全国のIT産業で期待で きる新人、若者というのを1,000人ぐらいリストにし、
そのうち二百数十人が地方にい ました。福岡にも札幌にも結構いました。ところが、3年後に調べると、二百数十人のう
ちで200人以上、九十何%が東京へ出てきていました。それはなぜかというと、全部東
京が引っ張る仕掛けになっているんです。こういう現実がある限り、地方は必ず衰退します
しかも、日本のマスコミは東京の読者ばかり。特にテレビはそうですが、東京の視聴
率しか気にしませんから、どんどん東京に集まるようになる。公共事業なんかでも、地方
では要望が多くても、東京世論でもうやめたほうがいいということになりがちなんです。
このシステム全体を変えないことには、日本の国土は変わりません。
その意味で、リニアモーターカーができて、あわせて名古屋、大阪でも全国団体も配置
されれば、書籍取次店もキー局もできるということになれば、日本の多様性ができて、国
際的競争力も生まれてくると思います。今の状態では東京だけの、まさにガラパゴス島と
いうのは東京都のことなんです。それだけでは衰退すると思うんです。
だから、このプロジェクトも償却費だけで積み上げるというのは、まさに規格大量生産
時代の発想なんです。このために日本のITはものすごく遅れました。クロスバー交換機
を償却するまで待てなんて言うものだから、韓国なんかに10年ぐらい遅れている。そう
いうことを考えると、やはりここはJR東海の償却費ではなしに、JR東海が主体になっ
てファンドを組んで一挙にやって黒字にしてみせる、必ず黒字にすると。そして、その間
に日本の人口や交通需要がこれだけ減っても大丈夫という案を作っていただきたいと思うんです。
これは一番大事なところで、いろいろなものをつくるとき、日本はこれができたら世界
に輸出すると言いながら、全部立ち枯れになりました

437堺屋太一2017/07/03(月) 00:50:43.09ID:wlTP7I3l
例えば、ヘドロを埋め立てる技術
でタンクをつくったら、ベトナムにも輸出できるというようなことを言っていたのが全然
だめです。それはなぜかというと、東京一極集中、日本だけの発想、そして日本だけの技
術が高いという、まさにゼロ戦的発想があるんですよ。だから、この事業だけは、大事な
事業ですから、ぜひそういう従来の発想の枠を超えて、むしろ17年などと言わないでシ
ベリア鉄道ぐらいの早さでやっていただいて、世界に類似のものができる前に日本のはす ごいなと言わせてもらいたいと思っております。

【堺屋元経済企画庁長官】
また、これを新しいビジネスモデルとして世界の金融家に説得をして低利・長期の金利を出させるというのが大
事なんじゃないでしょうかね。そうしたら、世界中の金融マンが真剣に検討してくれますから。ここはいい、ここは悪い、
これはこう出したらどうだと。そうすると、我々の知らないような技術もマトリックスに入ってまいりますから
ぜひそういうワールドワイドな発想でやってもらいたいんです。

438金持ち名無しさん、貧乏名無しさん2017/07/03(月) 01:11:48.71ID:wlTP7I3l
j

439堺屋太一2017/07/03(月) 01:31:04.14ID:wlTP7I3l
>>427
できれば東京素通りの列車、仙台発大阪行きというのがあるべきなん

{です。それがどうしてできないのか。いろいろ議論があるようでございますけれども、東
北新幹線、上越新幹線を品川まで延伸するのかどうか、これも一つの問題になってくると思います。
さて、最後に、最大の問題でございます。中央新幹線は日本の国土構造を全体的に変え
るだろうと思います。計画に当たっては、中央新幹線が日本の国土構造を変えるというこ
とを徹底的に考えてもらいたいということです。
日本の国土政策は、ご存知のように1940年、昭和15年から16年にかけて帝国国
策要綱、その他で決められました。これをぜひもう一度調べ直して、そこからいかに脱皮
するかを考えてもらいたいと思うんです。}

この計画に当たって企画院等が考えましたのは、これから戦争に向かうに当たって、規
格大量生産をしなきゃいけない。日本の国土は規格大量生産の近代工業社会を形成するも
のにするということになりました。そのためには、東京一極集中でなければならない。強
引な東京一極集中政策がとられます。その中で、産業、経済の中枢管理機能と情報発信機
能と文化創造活動は東京都以外でしてはならないという決定があります。これは非常に強
烈かつ厳格に守られています。そのためにどうしたかというと、各産業の全国センターを
つくらす。電気事業連合会とか自動車工業会とか銀行協会、その事務局は全部東京都以外
に置いてはならない。東京以外にあるものも集める。
429
私が通産省に入りました1960年代

440金持ち名無しさん、貧乏名無しさん2017/07/07(金) 14:09:37.14ID:FewJgdRy
資金の問題を償却費の積み上げでやるという時代ではありません。これがこのプロジェク
トの一番の問題点だと思うんです。いいビジネスモデルを出して国際的資金調達をすると
いう前提でないと、JR東海の償却費でやるとすれば、これは赤字の負い目で結局できないだろうということは思います

プロジェクトも償却費だけで積み上げるというのは、まさに規格大量生産
時代の発想なんです。このために日本のITはものすごく遅れました。クロスバー交換機
を償却するまで待てなんて言うものだから、韓国なんかに10年ぐらい遅れている

建物の売却益などで、ビル建設や用地買収にかかる事業費を償却する計画だった。
 最終赤字額は事業終了を前に、市が今年3月に特別会計を清算して判明した。売却収入は2257億円にとどまり、
今後の資産売却を見込んでも、赤字は約2000億円になるという。
赤字の要因は、バブル経済期に高値で買った土地の価格がバブル崩壊後に急落したことが大きい。
また97年には、63階建て高層ビルなど4棟の建設計画の中心施設に予定した大手百貨店「そごう」(2000年破綻)が
経営悪化を理由に撤退を表明し、事業が停滞。収益が大幅に悪化し、計画の縮小を余儀なくされた。
 09〜15年度、市は同事業の赤字穴埋めに計923億円を投入し、今年度も120億円を計上。
32年度まで赤字の穴埋めは毎年度続く予定で、「事業としては、負の遺産と言わざるを得ない」(市幹部)状態だ。

441堺屋太一2017/07/16(日) 21:53:08.50ID:vqmXJUXF
「ソ連共産党は監査制度強化の連続で退廃した。倫理には腐敗と退廃がある。腐敗とは
悪いと知りながら悪いことが続発する状態。退廃とは何が正しいかがわからなくなる状態
のことだ。組織を崩壊させるのは倫理の退廃の方で、組織が腐敗で崩壊した例はない。組
織は作られた目的に対して常にまい進しなければならないが、組織が一度作られると組織
自体が目的を持ち、組織を作った目的と一致しなくなる。倫理の退廃とは組織を作った目
的を忘れて、組織自体の目的の中に埋没することだ。例えば旧日本陸軍は日本国を守るた
めに作られたのに、いつしか陸軍の権益を守ることが目的になった。だから2.26事件
がおきると陸軍の秩序を守るためにもっと権限を強化しろということになった。官僚言葉
で『砂金あらし』といわれる焼け太り現象だ」

442堺屋太一2017/07/17(月) 21:45:19.04ID:bxTY7q7X
世間一般では罪悪とされていることが、一つの組織の中では正義と認められているとすれば、倫理の頽廃の極みといえる。いわゆる暴力団はその典型だ。
 ごく普通の組織で起こりやすいのは、その組織が作られた本来の目的から逸脱し、自己の主観的倫理と美意識のみに埋没してしまうことであろう。
例えば、工場が安全基準の達成や製品の品質向上に陶酔して、コスト感覚を失うことも珍しくない。
ある支店が売り上げを伸ばす為に、
同じ会社のほかの支店の活動を妨害していながら、数字の上の伸びだけを喜ぶこともよく起こる。当面の事業達成のために、世の法令や常識を犯して、
結果的には全社的損害をこうむった例は、バブル景気の中でも多かった。いずれも長期継続的に利潤を追求する企業の本質から言えば、倫理の頽廃である。
 中でも著しいのは、利潤採算という形で結果の出がたい官公庁や軍隊の場合である。日本の各省庁は、本来、日本国民全体の幸せのために機能すべきものだが、
今やほとんどは自省の目的追及だけを正義と考えるようになっている。
大蔵省主計局は財政均衡だけを考えて国民経済の均衡を配慮しない。
銀行局は金融機関の保護のために預金者の利益を考えない。農林水産省は米作農家と農協の保護の為には、日本を国際的孤立に陥れても平気である

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