0053スリムななし(仮)さん垢版
2017/10/29(日) 00:36:52.92この冬、私はサイドゴアブーツを愛用していたのだが、その形状はといえば、
ソールや革がしっかりしていて、けっこうハードコアな造り。
筋力を上げるためにはこのぐらいの負荷があった方がいいかも、と星飛雄馬の
大リーグボール養成ギブス装着系の勢いで履いていたのだが、意外にもこのブーツの装着時には、
例の「膝伸ばしウォーキング」が非常にスムーズに行くことに気がついてしまった。
たとえて言えば、足が重りのついた振り子のよう。
蹴り上げた足が靴の重みでストンと地面に落ちて、馬力のある推進力になっていくのである。
靴の重さはもうまったく感じられずに、本当に歩くことが苦痛ではなくなった。
●草履と下駄で歩いてきた私たちが さぁ、靴を履いたならば...
私はこの体験を通して、欧米の靴文化の身体感覚がよーく理解できた。
こういう重い革靴の文化があったからこそ、欧米人は自然と膝が曲がらない美しい歩き方ができてしまうのであろう。
一方、私たちの文化は草履や下駄の文化。
その自然な歩き方は、能や日本舞踊を見ればわかるように、摺り足である。
これもまた、膝に負担がかからない優雅な歩き方なのだが、それが靴に取り変わったときに
"間に合わせ"で行った歩き方が、すなわち膝を曲げて歩くことだったのだろう。
それでいうと、ハイヒールに関しても考え方が変わってくる。
女性の身体にとって負担が大きい、と悪の権化のように言われているが、
これもバレリーナがつま先で立つように骨盤を締め、インナーマッスルをうまく使えぱ、
正しい姿勢にからだをもってくることができて、エクササイズにもなるという意見を最近では目にする。
確かに、欧米の女性は60歳過ぎてもハイヒールを履きこなし、腰が曲がったおばあさんは本当に少ない。
とにかく、日本人の私たちは、歩き方を自然にまかせてはいけない。
日本人は西洋の文化を取り入れて、うまく日本化することがうまいが、
こと、この靴の文化だけは、残念ながら現在でも消化不良だったのである。