一人暮らしは認知症を予防する最高の方法

人生を楽しむうえで、高年者の思考を邪魔するのが、「孤独」への恐れです。高年になると、「一人ぼっちにはなりたくない」「孤独死したらどうしよう」という発想が強くなります。
これも予期不安が起こす恐れです。

現在、一人暮らしの65歳以上の高年者は、日本では670万人を超えています(少年、青年、中年を経て緩やかに移行していった先にあるという意味で、ここでは65歳以上の人々を高齢者ではなく「高年者」と呼びます)。
単身の高年者が大きな事件・事故などを起こすと、高年者の孤立や孤独の問題がメディアで大きく取り上げられます。
しかし、実際には、独居の高年者全員が孤独感に苛まれているわけではありません。

一人暮らしで誰にも看取られず、何日も経ってから発見される、という「孤独死」を恐れる人も多いでしょう。
しかし、よくよく考えてみれば、数日経ってから発見されるということは、死ぬ直前まで元気だった可能性が高いわけです。

今は、要介護認定を受けた高年者であれば、ほぼ例外なく、なんらかの福祉サービスとつながっています。
日常的な支援が行われているので、体調が悪ければすぐに病院に連れて行かれて、孤独死はなかなかできないのです。

孤独死したということは、自殺などのケースを除き、理想の生き方とされる「ピンピンコロリ」が実現できたということ。
直前まで寝たきりにもならず、元気に生き、眠るように最期を迎えるという、なかなかできない死に方ができたわけです。