赤信号を無視したオートバイを追跡していたパトカーが住宅の壁に突っ込み、後部座席に乗車していた埼玉県警の佐藤正人警部補(56)が死亡した。

 今月19日深夜、越谷署の男性巡査部長(26)が運転するパトカーが市内をパトロール中、信号無視をしたオートバイを確認し、追跡を始めた。約250メートルほど追いかけたところで、オートバイは交差点を右折。続いてパトカーも後を追おうとしたが、曲がり切れず、民家のブロック塀の角に正面から激突した。

 パトカーには警察官3人が乗っていて、後部座席にいた佐藤警部補が腹の痛みを訴え、病院に運ばれた。5日後の24日に容体が急変し、死亡。死因は小腸間膜損傷に続発した小腸壊死に起因する敗血症性ショックだった。オートバイはその場から立ち去り、助手席の巡査は軽傷で、運転していた巡査部長にケガはなかった。パトカーの後部座席には衝撃緩和機能付きのシートベルトは付いていなかった。

「スピードがどれくらい出ていたかは調査中です。亡くなった警部補は助手席の後ろに座っていた。乗車していた警察官は皆、防刃衣を身に着け、拳銃や警棒、手錠を吊るす約10センチ幅の帯皮をベルトの上に巻き、その上からシートベルトを着用していました」(捜査事情通)

 今年4月には京都市北区で大学生4人が乗った車が対向車線にはみ出し、トラックと正面衝突する事故があった。エアバッグが作動したため、運転席と助手席の2人は一命を取りとめたが、後部座席でシートベルトをしていた2人は、内臓破裂と頭部損傷で亡くなった。

日刊ゲンダイ 11/28
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3a924d38e275bdf1369a2ee60cb420a67bc89df