地元の田舎で押しつけられる「普通」が苦しい。だから東京で生きている
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20代後半の私が感じたのは、年配の人たちから向けられる「そろそろ結婚?」の目線。
お盆でも年末年始でもない時期に東京にいるはずの人間が帰ってくるとご近所から「何事だろう」と訝しがられる気配。
結婚して1年経っても子供ができない女性には「仕事を辞めろ、病院にいけ」と迫ってくる義母
(たった1年で……。しかもその義母の行動は非難されない)。
30代独身男女に貼られる「どっか変わっとるんやろうね」というレッテル。
DINKSに向けられる「変わってる」「かわいそう」という周囲の勝手な評価。
地元で少し名の知られている誰かが病院でいけば「癌か」と噂になる安直さとプライバシー観念の欠如。
引っ越してきた人への無遠慮な憶測。
「結婚して落ち着くのが女の幸せ」と信じて疑わない友人たち。
そして「どこに行っても知り合いばかりでやりづらい」とこぼす都会育ちの母の顔。

普通でないと訝しがられ、普通でないと噂になりやすく、
普通でないと普通になった方が幸せなはずだと諭される、そんな地域社会では私は生きづらいだろう。そう思った。
東京は忙しないが、自由だ。「王道」の「普通」を歩まなくても、
どこかに居場所がある。そして無縁社会の心細さや寂しさを受け入れるのと引き替えに、群衆に紛れられる。