長時間労働に耐えかね36歳で無職に…ネットやゲーセンで不安をごまかす日々
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働き盛りの世代でありながら、独身かつ無職――。
ここでは、一度のつまずきで社会から孤立してしまった男たちの日常に密着取材を敢行。
彼らが無職となった理由は何なのか? なぜ孤立から抜け出せないのか? 決して他人事ではない、彼らの心の叫びに迫った。

◆長時間労働を苦に退職。待っていたのは焦燥感

●長浜良則さん(仮名・36歳)/無職歴6か月/前職印刷会社

 6年前に印刷会社への転職のために関西から上京した長浜良則さん(仮名・36歳)。ここ2〜3年は人手不足が慢性化し、時間外労働は月100時間を超えたほか土日出勤も当たり前に。そんな環境に耐えかね、昨年10月に退職した。

「朝9時に出勤し、帰りは毎晩24時前後。家には寝に帰るだけという仕事漬けの毎日でした。残業が増えるに従って、動悸がすることも増えてきて……。
それまでも何度か辞めたいと会社に申し出たのですが、そのたびに人手が足りないと引き留められてしまって辞められず。
結局、『地元に帰って家族の介護をしなければならない』と嘘をついて無理やり辞めました。次の職のあてはまったくなかったのですが、まだ40前だし探せばなんとかなるだろうと。とにかく、逃げ出したい一心だったんです」

退職後しばらくは仕事に追われることのない自由な日々に清々しさを感じていたという長浜さん。だが退職から2か月、そろそろ働こうかと腰を上げた瞬間に現実の厳しさを知ることとなる。

「転職サイトを見ても、求人は大卒と35歳までを条件としているものばかり。自分は大学中退で高卒ですし、年齢もオーバーしています。
何とかなると思って後先を考えず仕事を辞めたのが甘かったんです。せめて1年辞めるのが早ければ、早く次の職を見つけられたのでは、と今は後悔しています」

職が決まらないままズルズルと無職生活を送る現在を「典型的な無職の生活」だと自嘲する。

「起きるのは昼の12時前後。あとはテレビやネットを見てだらだらと過ごすだけです。これまで仕事ばかりしていたので、いまだに趣味というものがないんです。
時間だけたくさんあって何もやることがないので、週5日は2つ隣駅のゲーセンまで行ってます。電車に乗って出かけることで『用事をこなしている』気分になりますし、1000円あれば半日はつぶせますから。
無職の身なので誰かに会うのも気が引けて、気づけば1週間以上だれとも口を聞いていないこともザラ。ちなみに、親には辞めたことをまだ言ってません……」

そう言ってこの日も2駅隣のゲーセンへと足を運ぶ長浜さん。現在は失業保険とわずかな貯蓄を取り崩して生活しているそうだが、失業保険は今月で給付期間が満了。
貯蓄も底が見えてきており、生活が立ちゆかなくなる“リミット”は確実に迫っているという。

「焦りは日々大きくなるばかりですが、かといって面接が決まらなければすることもないので……」

 長浜さんはそう言い残し、喧騒で不安を紛らすようにゲーセンに消えていくのだった――。