【Technobahn 2007/7/20 22:37】カナダ人研究者がボードゲーム「チェッカー」の
局面の完全解析を行うコンピュータープログラムの開発に成功したことが20日、
科学雑誌「サイエンス」に掲載された論文によって明らかとなった。
チェッカーは紀元前3000年前から存在するチェスなどと並んでもっとも
古くから親しまれているボードゲームの一つ。
このプログラムを開発したのはカナダのアルバータ大学の
Jonathan Schaeffer教授を中心とする研究グループ。
Schaeffer教授が開発したチェッカー・プログラム「Chinook」は1994年には
チェッカーの世界チャンピオンを破っていたが、今回はより完璧を目指して、
必ず勝利する必勝プログラムの開発に成功した。
研究グループは当初、ヒューリスティック（発見的）な手法を用いることにより
無駄な探索を排除しながら探査木の解析を行う手法を取り入れたが、その後、
いわゆる定石をデータベースとして構築する方法に研究の主眼を移行。
研究グループはあらゆる定石をデータベースに登録するために50台もの
コンピューターを使って試合をさせながら、さまざまな局面で出現してくる
考えうるあらゆる定石のパターンをデータベースに記録し、
より完璧なコンピューター・プログラムの開発を目指した。
完成したプログラムはチェッカーの局面で出現するあらゆる定石を記憶することにより、
局面に応じて最善の探査木を選んで局面の完全解析を行うことで、相手も自分と
同じように完璧であれば、必ず、引き分けに、相手が一つでもミスをすれば必ず
必ず勝つことができるコンピューター・プログラムを作り上げた。
Schaeffer教授によると、まったくミスをしない完全無欠の人間は存在しないため、
人間と対局する限り、このプログラムは理論上は必ず、試合に勝利することができるとしている。
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