トヨタがNTTとKDDI両社と手を組む狙いは? 通信のライバル2社と提携でトヨタが望むものとは
2020.03.24 国沢光宏

トヨタとNTTが業務資本提携をすることが2020年3月24日に発表されましたが、トヨタはNTTにとってライバルであるKDDIの大株主でもあります。トヨタはなぜ、KDDIに加えて新たにNTTとも手を組むことにしたのでしょうか。

KDDIの大株主であるトヨタはなぜNTTと手を組んだ?

 トヨタがNTTと資本業務提携をすることになりました。お互い2000億円ずつ出資するという内容です。このニュースに接し、事情通は相当驚いたと思います。
というのもトヨタは、NTTにとってライバルであるKDDIの発行株数の12.67%を持つ2番目の大株主だからです。

 ちなみに現在の株価でいえば9000億円分に相当し、NTTより圧倒的に多いです。トヨタはなぜ、NTTとKDDIの両社と手を組むことにしたのでしょうか。

 気になるのはNTTとKDDIの会社規模。時価総額を調べてみると、NTTの9.51兆円に対し、KDDIが7.15兆円です。圧倒的にNTTが大きいかと思いきや、KDDIも頑張っています。

 という状勢のなか、同じ業種であるNTTと組むというのは、一般常識からすれば不思議です。このあたりがトヨタを引っ張る豊田章男社長の面白さでしょうか。

 章男社長は、自動車業界でもあまり垣根を作らないことで知られています。BMWと協業したり、マツダやスズキと資本提携したり。

 そもそも、トヨタのイメージ動画の中で自身が乗っているのはスバルで開発&生産したトヨタ「86」だったりします。
鈴鹿サーキットで開催されたモータースポーツイベントでは、ホンダと一緒にイベントを盛り上げます。

 という今までの流れからすれば、通信業界のライバル2社と関係を持つことも不思議ではありません。