0001名無しさん@お腹いっぱい。2014/11/06(木) 14:10:34.48ID:evmMLnne0
千種区のパチンコについて何でも語るスレです♪
機種、店員、客、釘、愚痴、勝ち自慢etc
パチスロ関連のスレはコチラ↓
☆千種区のパチスロ情報を語るスレ★
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/slotj/1410162300/
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∫ お 誕 生 日 お め で と う ! ! ∫
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∧_∧ おめでd!
( ´Д` ) n
 ̄ \ ( E) ∧_∧ おめでとう!
フ ./⌒i /ヽ ヽ_// ( ´∀` )
/ / | \__/ () () () パチパチ (つ⊂ )
| | . ,, ,().|| ,ヘ ,,||, ,ヘ ,,|| ,ヘ,() | | |
- イ .| | ..,'_~ () ||~|| <介>゙_||_~<介>_ ||'_<介>|| ~ _' ,(_(__)
/ ( ヽ//:ヽ゚|| .|| ()「 happy birth day !()゙.|| ./.:ヽヽ ∧∧ デカイな・・
/ ヽ、!(: : :)|| .,ヘ, || ,ヘー―,ヘ―‐ ,ヘ,-.|| ヘ(: : :) i (゚Д゚;∩ オメデトウ !
|ヽ。,,_~ <介>||<介> <イト> <介> || <介> ,_,ィ'| (| ,ノ ∧∧___
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(_ イ へ へ ト 、_ノ
ヽ。 _/ \ / \___ノ
∵∴パーン! ヽ、_ _/
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( ・∀・) ∇ 、@, /■\
(((つ───つ タンジョウビ イイ!! ;@@^ (´∀`∩ 誕生日ワッショイ!!
< <\ \ (・∀・)つ|/` (つ 丿
(__) (__) ( ヽノ
[おめでとう] 打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
芯でとらえるのは難しいし、スイングしてもファウルになる確率が高いからだ。
だが、投手はそうした打者の心理に気がついていないことが意外に多い。
だから打者有利なカウントで「絶対にコントロールミスしてはいけない」と力が入り、かえって甘く入って痛打を食らってしまう。
では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。
打者にとって”嫌な投手”とは、160キロの剛速球を投げる投手でもなければ、えげつない変化球を駆使する投手でもない。
それは「打てそうで打てない投手」である。打者の心理とはなんとも微妙で、それこそ1球1球によって変わってくる。
”嫌な投手”とは、そんな打者心理を見透かして打ち取ろうとしてくるタイプなのだ……。
野球のカウントは0−0から3−2まで12種類あるが、そのなかで打者有利のカウント、投手有利のカウントというのがある。
打者有利のカウントとは、1−0、2−0、2−1、3−1などだ。当然、打者は打つ気満々で、ある種イケイケの状態である。
投手にしてみれば見逃しでストライクを取ることがベストだが、少しでも甘く入ってしまえば痛打を浴びてしまう。
超一流と呼ばれる投手はそういう状況からでも簡単にカウントを整えてくるのだが、そうした投手はプロの世界でも数えるほどしかいないのが実状だ。
私の経験上、投手が狙い通りのコース、高さに投げられるのは、たとえば10球のうち5球あるかないか。
つまり、半分以上は意図していないところに投げているというわけだ。それでも打者が10打席で3回ヒットにすれば褒められるというのはどういうことか……。
要するに、それだけ打者は打ち損じをしているということになる。
打者有利なカウントではバッターが精神的優位になるため、大胆に球種やコースを絞って狙い打ちしてくるケースが多い。
そうしたカウントで待つ球種は真っすぐがほとんどで、相手投手によってはスライダーに絞る場合もあるだろう。
ところが、狙っていた球種が来たにもかかわらず、打ち損じてしまうという場面は珍しくない。その大きな原因は、目を早く切ってしまうことにある。
ではなぜ、目を早く切ってしまうのか。力みや気負いもあるが、球種の見極めが早く、微妙に変化するボールについていけないことがほとんどなのだ。
私がコーチ時代、選手たちに「待っていた球が来たからといって、早く喜びすぎるな」とアドバイスしたことは何度もあった。
目を早く切ってしまうと、アゴが上がり、バットも的確な角度で出てこない。結果、ポップフライか引っかけての内野ゴロで打ち取られてしまう。
そうした状況で、打者が手を出してくるのは外寄りのボールが多い。逆に、打者有利のカウントでインコースを打ちにくるバッターはほとんどいない。
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では、0−1、0−2、1−2、2−2といった投手有利のカウントのときはどうか。このとき打者は、三振をしないように、追い込まれないように……と考える。
また走者がいる場合は、最低でも走者を進めたいと考えるだろう。そうなると必然的に待つ球種も多くなり、ゾーンも広げてくる。
我々は「引いて考える」という表現をするのだが、こうした状況は間違いなく投手が優位にある。
なかにはヤマを張って、読みが外れれば「ゴメンなさい」というバッターもいるが、大抵は来た球に反応するしかなく、フルスイングするのは至難の業だ。
打者にしてみれば、少々のボール球でも手を出さざるを得なくなる。そこに投手が気づくことができているかどうかだ。
つまりバッターにとって”嫌な投手”とは、そうした打者心理を理解している投手である。
打者有利のカウントで平然とスローカーブを投げたり、インコースにズバッと投げ込んできたり、あえてバッターが狙っているコースに投げ、ちょっとだけ変化を加えたり……。
要するに、そのためには150キロを超すストレートも、バットに当てさせない変化球も必要ない。
特に先発投手は、対戦するひとりひとりの打者に対して完璧な制球や配球などしなくてもいいのだ。
さて、松坂大輔だ。日本だけでなくメジャーでもあれだけの実績を残して活躍してきた彼なら、そうした打者心理を理解していないはずはない。
しかし、日本球界に復帰してからの彼を見ていると、故障の状態もあって一概には言えないが、威力のあるボールを蘇らせることに重きを置いてきたように感じられた。
かつてのように、ストレートで圧倒したいという気持ちはわからないわけではない。ただ今のボールを見ていると、そうしたピッチングで打者を打ち取るのは難しいと言わざるを得ない。
正直、スタイルを変えるという作業は簡単ではない。だがもう一度、一軍のマウンドで躍動したいのなら、発想の転換が必要かもしれない。
すなわち、打者心理を読んで、徹底的にそのウラをつくピッチング。それが、松坂が蘇る唯一の選択肢ではないだろうか。