11月12日に後楽園ホールで行われる、スペインのアビゲイル・メディナとのWBC世界
スーパーバンタム級暫定王座戦を控える亀田家の三男・和毅について、父・史郎と
次男・大毅が言及。
この一戦が和毅にとって意味するもの、さらに将来的に和毅本人が望む日本が誇る
バンタム級のモンスター・井上尚弥との戦いについて持論を展開した。

「相手は関係ない。メディナは危険な相手ではない。今回、和毅が戦うべきは自
分自身」

12日の戦いを前に様々な予想が飛び交う中、父・史郎氏の言葉は意外なものだった。
その言葉は今回の戦いに限らず、先を見据えたうえで克服すべき、長年の課題を意
味していた。

「和毅は今までの試合で、一度も自分が持っているものを出し切れていない。そ
れが出せれば、という思いがずっとある。
今回の試合で、その殻を破って欲しい。それが出せたら、自ずと試合は終わって
いるはず。だから自分との戦いなんや」

「出し切れていないもの」とは何か? 今となっては直接指導を受けることはな
いが、和毅は変わらず、相手の特徴や癖を見抜くのが得意だという史郎氏に練習や
試合の映像、
対戦相手のビデオなどを送ってはアドバイスを求めているという。
そんな背景もあり、和毅のボクシングについて熟知する史郎氏が指摘する和毅の
癖。破るべき殻とは。

「ボクシングには“半歩”の難しさ、駆け引きがある。半歩前に出るか、半歩下が
るかでパンチのクリーンヒットに大きな違いが生まれる。
その点、和毅はまだ『ここぞ』というタイミングで半歩前に出る駆け引きができて
いない。おそらくそれは自信の問題。
倒せるだけのものを持っているのに、自信の無さがそれをずっと邪魔している。
今回はベルトを獲りに行く立場やから『半歩が大事やで』と改めて伝えている。と
はいえ簡単ではない。