話を冒頭に戻そう。
ボクシング界のやんちゃ坊主はこの俺だ!
試合前のパフォーマンスでも勝ち、試合でも圧倒して勝つ!
しかし、マックの仕掛けた舌戦に翻弄されていつの間にか試合で勝つことよりもパフォーマンスで勝つことに執着してしまい
劇場型の大久保トレーナーまでまんまとマッククリハラの戦略の泥沼にはまってしまった。

調印式で明らかに異常なテンションの大久保トレーナーが薬師寺サイドに「明日はどつきまわしたるかな!」と威嚇してしまったり
当日の試合直前になっても酒が抜けずに呂律すらまとも回っていない大久保トレーナーの姿を見て
冷静な島田トレーナーは「大久保さんにはリングに上がってもらわない方がいいのでは…」と感じていた。

そして島田トレーナーの悪い予感が的中でセレモニー中の大久保トレーナーの悪態〜退場処分。
もはや完全に崩壊してしまったチーム辰吉は誰一人として辰吉にアドバイスを送れる者はおらず
それぞれが思い思いでバラバラの指示を辰吉に出してしまう。
島田トレーナーのことを信頼していなかった辰吉は島田トレーナーの指示を受け入れようとせず
ジム経営以外はボクシング素人の吉井会長のアドバイスなどもはやアドバイスとして体を為していなかった。

大久保チーフトレーナーはリングサイドから離れた場所で試合を見ながら徐々に酔いが冷めていく中で、
格下と見ていた薬師寺に手も足も出ずにボコボコにされて視界が塞がっている辰吉の姿を見て何を感じていたのか…