世界フライ級初代王者ジミー・ワイルドは、体重が45キロ前後なのに132勝(その内101がKO勝
)を記録した。青白い顔のやせっぽちだがひとたびパンチを放つと、彼より5キロ、時に10キ
ロ重い相手がバタバタ倒れた。ついたあだ名が『ハンマーを持った幽霊』。まだ10代半ば、体
重も35キロ前後の頃に、炭鉱町で開催された勝ち抜きのボクシング大会に出場、三時間の間に
19人をKOし、30分休んだ後さらに4人を倒した逸話を持つ。薄い胸、細い腕、軽い体重なのに
どうしてそれほどの強打が生まれるのか、当時医学的研究の対象にもなったそうな。