ディスクロードのフレームとフォークは何が違うのか
https://cyclist.sanspo.com/463215

フォーククラウンにブレーキキャリパーが付くリムブレーキならば、「走行性能のために強化しなければならない場所」と、「制動性能のために強化しなければならない場所」が完全に一致します。
しかし、ディスクブレーキは、フォーククラウンとディスク台座(フロントフォーク末端)を別々に強化しなければなりません。だからそれだけ重くなるんです。「リムブレーキ車は構造として無駄がない」とも言えますね。

次はフレームの走行性能について。結論から言うと、ディスクロードはリムブレーキに比べて快適性が低下しやすく、ロードバイクらしいしなやかさが失われる傾向にあります。
理由は簡単。そもそもロードバイクとは、フレーム末端(フォーク、チェーンステー、シートステー)をしならせることを前提とした乗り物です。
しならせようとしているからこそ、フォークは先細りになっており、緩やかにベンドしているんです。

しかし、ディスクブレーキはフォーク先端とチェーンステー末端にゴツいブレーキキャリパー台座とキャリパー本体が付きます。
しかも、先述の通り、制動時には大きな負荷がかかるので、チューブ自体も強化しなければなりません(チューブ径を上げるとかカーボンの積層を増やすとか)。

結果として、本来「しなるべき場所」の剛性が意図せず上がってしまう。これが、しなやかさや快適性が低下する原因です。

実際、数年前のディスクロードは正直言って乗り味がダメダメでした。快適性が低く、フレーム末端が生硬く、走り味はギクシャクしており、リムブレーキロード特有の上質なしなやかさは雲散霧消していました。
全然気持ちよくなかった。ハンドリング特性が左右で明らかに違うモデルもありました。「ただよく止まるだけ」で完成度は低い。そういう感じです。

乗り味に関しては、総じてリムブレーキ車のほうが完成度がまだ高いと感じます