武庫川サイクリングロードにくぎ1千本…パンク狙う?
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181020-OYT1T50025.html

宝塚署などによると、くぎは8月19日朝、宝塚市内を走る武庫川サイクリングロード上、約1・5キロにわたって、約1000本が発見
された。いずれも長さ約2・5センチの新品で、ジョギング中の男性が拾い集め同署に届け出た。同署では、故意にまかれた可能性
が高いとみている。
サイクリングロードを管理する西宮、宝塚両市には、「自転車がスピードを出しすぎて危ない」などの苦情が、以前から多数寄せられ
ていた。週末には、ランニングや散歩を楽しむ人の間をサイクリストの集団がすり抜けていく光景も見られる。
都市近郊では、自動車や信号を気にせずに気持ちよく走れるコースに、サイクリストもランナーも集中。走行を巡ってトラブルになる
ことが多いという。
サイクリングマナーの向上などを訴える一般社団法人「グッド・チャリズム宣言プロジェクト」によると、東京都から埼玉県にかけての
荒川河川敷道路(通称・荒川サイクリングロード)でも、6、7月に複数回、くぎのばらまきが発生。首都圏では数年前から、自転車道
へのくぎやガラス瓶の散乱の報告が寄せられているという。
マナー向上のためのルールづくりを提唱している同プロジェクトの韓はん祐志代表理事(54)は「サイクリング中は疾走感から気分が
大きくなりがち。周囲にどう見られているかを知るサイクリストの意識改革が重要だ」と指摘する。
武庫川河川敷で、くぎの回収に協力した尼崎市のスポーツ用自転車専門店「アースバイクス」の内田学店長(42)は、今回のばらまき
を契機に、フェイスブックや店舗のウェブサイトで「人の多い場所では減速し、追い抜きの際には声を掛けるなど周囲への優しさを持っ
て走ろう」と呼びかけている。
ランニングマナーの向上を呼びかける一般社団法人「日本ランニング協会」(東京)は「ランニングは個人競技との意識でマナーやルー
ルを軽く捉える人もいる。『道路を使わせてもらっている』と考え、思いやりの心を持って走ることが重要だ」としている。