AUTHOR INTERVIEW ママチャリ文化にみる日本の危機:世界最強の自転車メーカーGIANTに学ぶ|WIRED.jp
https://wired.jp/2012/07/17/giant/
日本の自転車メーカーは1980年代以降、世界をリードする自転車を作れていません。
その理由というのは、日本の市場で売れる自転車の9割がママチャリなので、それを作り続けていれば一応会社の経営規模としては安定することができていたからなんです。
そのため日本のメーカーは厳しいグローバルマーケットでの競争に打ってでなかったのです。

90年代はそれでもなんとかなったのですが、いずれ中国が質のいい自転車を作れるようになってからは、
安い中国製のママチャリが洪水のように日本に入ってくるようになってしまいました。すると日本企業は収入源であったママチャリが売れなくなってしまいました。
だからといってハイクオリティな自転車は、日進月歩で常に世界と激しく争っていないと作れないものなので、
そこに追いつけるだけの開発力が残されていなかった日本の自転車メーカーは、ことごとく倒産に追い込まれてしまいました。
なんとか生き残っているパナソニックなどの日本メーカーも最近は電動サイクル自転車主体でしか作れていなくて、
日本は完全に台湾勢に敗北してしまったといえるでしょう。

日本はとても自転車に乗りにくい社会です。歩道を走れば歩行者に迷惑がられ、車道を走ればクルマにクラクションを鳴らされるので、
「ではどこを走ればいいのか?」と言いたくなりますよね。
いままでの自転車業界や自転車関係団体は、自転車とはいかにあるべきか、いかに自転車を社会のなかで受け入れるべきか、ということに対して真剣に取り組んできませんでした。
だからみんな家から駅までの通勤通学にしか自転車に乗らなくなってしまったわけです。普段の生活で1時間以上自転車に乗れる社会をつくってこなかったのです。