>>656
こういうのはちょっと、ね
いかにもアメリカ人の考えるカスタマイズらしい感じだ
たとえアメリカ人の手によるものではなくとも、その根底にはアメリカ的なものがある

アメリカでは1929年の世界恐慌から自転車ブームが起こった
その時代のアメリカの自転車はモーターサイクルを模してクロームメッキの深いフェンダー、円錐型の大型ヘッドライト、
大きなスピードメーター、バルーンタイヤ、ホーンなどで飾り立てられていた

フレームには燃料タンクを模した小物入れがあり、少年たちはここに小銭なキャンディーをしまっておいた

戦後の第二次自転車ブームは1970年ベトナム戦争による反戦意識の高まり、自然尊重の思想に乗りやってきた
いわゆるバイコロジー運動だ

ロードレーサーを模した10Speed Bikeがブームの中心となったが、その一方で子どもたちにはサスペンションつきの
バナナシートやハイライザーハンドル、スティックシフトでモーターサイクル
や四輪車の雰囲気を演出したシュウィン・スティングレーが人気となった
このシュウィン・スティングレーはBMXの原型となった
BMXはバイシクルモトクロスの略で
モーターサイクルによるモトクロスレースを子ども用自転車で再現したものだ

早くからモータリゼーションが発達してきたアメリカではエンジン付きの乗り物に乗ることが栄誉であった
免許を持たない子どもたちはモーターサイクルや四輪に憧れつつ、それらに似せた意匠の自転車を漕ぐことでその代償
行為としてきた流れがある
自転車をエンジン付きの乗り物より下等なものと見なした、いかにもアメリカらしい思想と言えよう
自転車に美学を注いできたサイクリストからすれば実に腹立たしく賛同出来かねるのがアメリカのモーターサイクル
風自転車だ