アニメシリーズも一通りリアルタイムで見てたが、世界観の構築は素晴らしいと感じる一方で、キキャラクターたちのノリだったり、おっそいテンポで進む物語だったりについていけずで全体的に乗れなかった
今回はスクリーン映えしそうなので劇場版での挽回を!と思っていたが、そう上手くはいかず…。

アニメシリーズを見ている前提で始まるので、確実に初見向けでは無い。かくいう自分も1クール前の今作の内容を忘れかけていたので、なんとなくでしかキャラを覚えてはいない。

良いところを挙げるとすると、序盤の冒険が始まるぞって感じで船を進め出したり、崖を駆け上ったりするシーンは迫力があり。雪海が球体なのも凝っていて好きだし、のぺーっとした怪獣たちやイカついロボットたちのデザインの好みだ。

アニメはスローだったのに、劇場版は駆け足も駆け足というアンバランスさ。道中は専門用語がマシンガンの如く連発でやってきて、それに加えて説明セリフが露骨すぎるのもあって情報整理には苦労した。

なんだか偉そうな人が木を切り倒したら世界が良くなるぞーとイキってる割にはそこまで大それたことはしないし、やられ役としても弱い。もっと極悪なのを期待してたんだが、敵兵たちもモブの域を脱せずじまいで散っていったのでモヤモヤした。

ラストもなんだかあっさり。地球化して緑を取り戻した世界になったのは良かったのだが、そこまでのカタルシスが存在せず、祈ったらそうなっちゃったというご都合的な展開が働いてしまっていたなと思った。木を守るためかと思いきや、実は負の遺産だから消し飛ばしちゃっても大丈夫なんてオチで本当に良かったのかと疑問は最後まで拭えなかった。

アニメーションの問題もあると思うのだが、キャラクターに個性も魅力も共感もできない色々残念な事に。
カイナも特段すごさを感じないし、王女は全体的にウジウジして捕らわれてキャーって感じなので目を当てられないし、その他の兵士たちもちょっと出番の多いモブくらいの扱いであんまりだ。
敵キャラもどこかで見たことある感じの悪党だし、やられる様も既視感ありまくり。悪い奴だなーくらいの印象にとどまってしまい勿体なかった。声優陣は全員本職で来てくれてるので良いのだが、どうにも活かしきれてない感が否めまない。

アニメ版に引き続き主題歌はヨルシカで、世界観をうまく現している曲だなと音楽の力を再確認した。

劇場版前提で作られたシリーズも申し訳ないけど不発、劇場版も人入りはかなりまばら。元を取り戻すのはかなり大変だろうなと思う。うーん残念。