やっとレンタルしてみてみた。
こういう映画は、自分がいつ見るべきなのか?ということを考えさせられる。
面白そうに思っても、上映中であっても、「今の自分は、まだ見るべきでない」と思ったら見ない。
見るべきときがきたら、見る機会が必ず訪れるというもの。
そして、今、自分がこの映画を見たという意味を含めて考える。

そういうわけで、いまさらながら感想。

1、監督がすごい。この人は、アニメ監督というスキルがあるのに、
しかも大勢のスタッフやら、金を出してくれるプロデューサーやらと仕事しないといけない立場なのに、
大ヒットを目指してアニメを作ろうという考えが全く無い。
ヒットしなかったら、次の仕事は無いという恐怖を感じないのだろうか?
ものすごくストイックに仕事に打ち込み、周りからも信頼されてないとこういう仕事は出来ない。
仕事とは、こうあるべきだし、こういう仕事ができる人になりたいと常々思っているがなかなか。

2、これは、ただの日常アニメだ。舞台があの頃というだけの。
日本がなぜ外国と戦争しているか?という理由がほとんど何も述べられていない。
今の時代に、日本が何故、世界に新幹線を売り込んでいるのか、我々が知らないように、
戦争の是非について何も語っていない。そういう時代に生きてるというだけのこと。
たとえ主人公が片腕を失っても、現代なら震災にあったようなものなのだ。
困った人がいたら、助け合って生きていこう、ということしか語られていない。
戦争という原因に言及したからといって、この主人公に何ができるわけでもないし、
自分の身の回りの生活を守るくらいの気持ちしか持っていないし、
そんな普通の人に、何か問題意識を持って反戦運動をしろとかおこがましいことを言うのもおかしな話だ。

3、反戦映画ではない。こういうアニメを、韓国人が見ると、戦犯国のくせに被害者ぶってると思うようだが、
むしろ、戦争をおこした日本人の一人として罰を受けてるようにも見える。
とても理不尽だが、戦争をしている日本の是非とか、爆弾を落とされたらどう対処したらいいとか、
考えて行動するような人物では無い、社会全体への無知ということに対する罰として片腕を失うことになったように見える。
無知であったことが、悪いことだったのか?という言及も無い。
全ては、観客がどう受け止めるか、この映画のテーマは、映画の中に提言されているものではな。
観客がどのように考えたのか?それが、観客一人一人にとっての、この映画のテーマになる。