これ初めは貴樹が明里を引きずっているように思えて、
明里は割り切って前向きに結婚しようとしているように見えたけど、
明里の方が結婚相手に貴樹を投影しているというか、貴樹と同一視してないか?
と考えると、明里の方が怖い存在に思えてしまうんだけど俺だけ?

電車の中の明里のナレーションで、

「夕べ昔の夢を見た
私も彼もまだ子供だった
きっと昨日見つけた手紙のせいだ」

と、貴樹のことを彼と言っている言い方がまるで本当の彼に対する言い方のようで気になる
もし本当に他の人と結婚するのなら、貴樹のことを彼とあのように言わないと思う
駅で見送る父親の、「そうだな…彼にもうまいものを作ってやれよ」の彼という表現と対をなしている気がする

最後の貴樹と明里が交互に語るナレーションも、結婚を前にして昔の男のことをあのように語らないと思う
ここでも明かりが貴樹のことを彼というセリフがあるのも気になる

もしかしたら、明里の結婚も幻で想像妊娠ならぬ想像結婚なので、虚実なのではないかとすら思えるんだけど
何か明里の方が踏み込んではいけない領域に踏み込んで壊れてしまっている気がしないでもない