茶店のチンピラたちだけど、まんまと首尾よく計画が成功したよね
ひと芝居打って、食事代を無料にすることを達成した
そんで、計画が成功したっきりそのまんま投げっぱなし
彼らがついた嘘に対する応報はない

でも普通の物語なら、嘘つきはたいてい悪役だし、しっぺ返しを食らう
日本映画はもちろん、ハリウッド映画や子供向けの絵本もそうなってる
どうしてだろうね。それが物語世界に共通する暗黙の道徳、モラルだから?

でもこの映画はそうじゃないよね
茶店のチンピラたちが無銭飲食に成功したのと同様に、
瀧と三葉もまんまと嘘をつき通して、なんの因果応報をうけることもなく
ハッピーエンドを迎えている

なんか薄ら寒くね? 後味悪くね?
だって、家族も友達も親切なおじさんも主人公の周囲の人らはみんな
嘘つかれたことに気付かないまま話は終わってるじゃん
彼らは瀧と三葉のハッピーエンドを祝福できるだろうか?
家族であり友達であるのに・・・
もし瀧と三葉が嘘をついてると知ってたなら、同じように接することができたろうか
観客である信者たちはどうよ、彼らを本当に祝福していいと思うかい?
切ない音楽ときれいな映像と涙の演技さえあれば、それで満足していいのかな