「大閙天宮」を観る。107分。万籟鳴監督。ストーリーは西遊記の序盤で、お釈迦様の掌の手前まで。
1960年代の作品で、絵柄は初期ディズニーに京劇をミックスし、さらに独自の進化を加えている。
天帝の城、雲上の厩舎や天馬の放牧などは、ちょっと他所ではお目にかかれない見事さだ。
ナタ太子や二郎真君との戦いも、中華らしさを見せた上でぐこぶる魅力的。
>112の、東映動画での手塚治虫の「西遊記」よりも、正直さらにだいぶ上だ。
手塚氏が個人?のアイデアや感受性で埋め合わせようとした部分を、
大閙天宮ではスタッフたちの基礎的な力量で軽々と凌いでいる。あぜんとするほかない。


「はたらく細胞特別編 風邪症候群」を観る。24分。監督鈴木健一。
ぬるい展開なのはサブタイトルでわかってたし、なかなか嫌いじゃない。
まめる式血小板あたりを無料ダウンロードして、スモックめくったり
I字バランスさせたりしたほうが有意義な時間だろうけど。それとも有料だったかな。


「ローゼンメイデン オーベルテューレ」を観る。上下編合計で48分。
原作などは未読。脚本花田十輝、絵コンテ松尾衡・山崎みつえ、監督及び演出松尾衡、
原作PEACH-PIT、キャラデザ総作画監督石井久美、イメージデザイン春日井浩之。
花田清輝の孫だか縁者だかが物書きやってるとは仄聞していたが、これがそうか。
監督名にも聞き覚えがあると思ったら、紅で幼女の動作を精緻に表現してた人だ。
で、内容はなかなかだ。鮮烈な画面を生み出そうと努力しているように思われる。
またヒロインの人形たちは、皆せいぜい人間たちの腰までのタッパだから、
その落差で異様な絵面が出来上がっているシーンが多い。
トランクでの睡眠とか、人形が軋んだり壊れたりする描写とか、わりかしやべーなと思う。
見ごたえあったね。


「劇場版アンパンマン 夢猫の国のニャニイ」を観る。原作やなせたかし、監督矢野博之。
10年ぶり二回目の視聴。終盤の某展開は匙加減を間違えていると思うけど、それ以外は結構好き。
ペットなり引越同級生なりとの別離は、現代の子供が味わう深い悲しみのひとつだから、
それを題材に選んだんだろう。相変わらずおおむね丁寧に作られている。
5分07秒時点、誕生したニャニイにロールパンナが笑いかけるのが、クリームパンダよりも一瞬早い点や、
26分35秒前後、場面の感動ぶりに隠れて、倒木があのように姉妹の間に横たわっている点とか、
まだCG技術が未熟な時代の作品だが、それを逆手にとって夢世界の荒廃ぶりを表現している点とか。


・歎異抄をひらく(完全版監修監督谷田部勝義・監督大野和寿)
・ちえりとチェリー(中村誠)
・ProjectPAPO(松木大祐)
・扉を開けて(清水恵蔵)
・バルテュス ティアの輝き(牧野行洋)
・バケモノの子(細田守)
・劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン(石立太一)
・魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's(草川啓造)
・planetarian 雪圏球(玉村仁)
・HELLO WORLD(伊藤智彦)
・劇場版冴えない彼女の育てかた Fine(亀井幹太・柴田彰久)
・僕は友達が少ない あどおんでぃすく(斎藤久)
・劇場版プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い(大沼心)
・劇場版そらのおとしもの 時計じかけの哀女神(柳沢テツヤ・斎藤久)

は観たが、個人的には特に語るところなし。