「おねがい♪マイメロディ 友&愛」及び「映画ジュエルペット スウィーツダンスプリンセス」を観る。
二本はひとつのDVDに同梱。どちらのシリーズも初見。長さは13分及び58分。前者は監督大久保政雄。
前者は楽しく気軽に観られる短編。悪役に対する主人公の振る舞いが適度にブラックで笑える。
後者は監督桜井弘明、絵コンテ桜井弘明ほか、演出島崎奈々子・桜井弘明・ほか(解読できず)。
登場人物の8割が二頭身のぬいぐるみ(淫獣)で最初は戸惑ったが、どうやら幼稚園児っぽいキャラを
メインキャラ群に据えるための方法論らしいと気づいてからは、すんなり朗らかに観ていられる。
つまみぐい・お泊り会・夜の散歩・姫君の箒への横座りなど、園児の生態をなかなかよく把握できてもいる。
また声変わり前の芦田愛菜は、良い意味での素人っぽい声質と、
そこそこプロっぽい滑舌の良さが両立できている。
全体として、最後の「やりきったよー♪」って台詞にふさわしい幼児映画といえよう。
この二作の最大の欠点は、タイトル画面だな。ジュエルペットは50匹以上のキャラが描かれているのに
マイメロは3匹しか描かれていない! 格差社会ここにきわまれり。


「世界名作劇場 完結版 レ・ミゼラブル 少女コゼット」を観る。上下編合わせて90分。
監督桜井弘明、シリーズ構成金春智子。おそらく4クールのテレビアニメの総集編。
見応えがない。同一監督の映画ジュエルペットや映画アキハバラ電脳組の満足度には達してない。
子供向け・オタ向けの題材だったそれらに比べ、ヴィクトル・ユゴーの原作はアニメ化に
ずっと大きな力量を求められる(その分成功した時のインパクトは巨大なはずだ)が、
このスタッフ諸氏は、過酷なテレビアニメ制作の中でそれだけの金剛力を発揮できなかったんだろう。
最初の悪役のキャラデザをコミカル寄りにしすぎたのは、題材を考えると俺には逃げとしか思えないけど、
そこから始まって全編ずっとだ。まあ高畑たちから始まったこのシリーズは、長年続けていくにも
高畑に肉薄する力量が必要かもしれず、だとしたら作り手を論難する気にはなれないけど。
幼女時代の主人公の姿はとても可愛らしかった。それだけでも見て損はしなかったよ。


「ムント劇場版 天上人とアクト人最後の戦い」を観る。京都アニメーション。82分。
監督木村益治。テレビアニメの総集編みたいなものらしいが、そっちなどは未読。
べつだん悪くない画面を作れているとは思うけど、どうにもこうにも。
ラピュタからたぶん強い影響を受けているのはかまわない。本家だってルネ・マグリットが元ネタだろうし。
でも核となるイメージに、他の要素をどう有機的に絡ませていくかが肝なんじゃないのと思う。
空飛ぶ島がヒロインの故郷なら、主人公は大地にもぐる炭鉱夫にしよう、とか、
空飛ぶ島は高所を飛ぶから、義賊たちには地を這うように低く飛ばせて見ようとか、
もっと高所のイメージとして宇宙を持ち出してみよう(ポム爺さんと炭鉱の奥で)とか。
なおレンタルDVDにはTVCMスポット・劇場用スポット・舞台挨拶・メイキング・それとオーコメもついてくる。
相当の大盤振る舞いだし、レンタル客みたいな薄利の細い客に対するこのスタジオの態度もそれと知れる。


・劇場版ハイスクール・フリート(中川淳・信田ユウ)
・ずっと前から好きでした 告白実行委員会(柳沢テツヤ)
・ストレイト・ジャケット劇場版(ウシロシンジ)
・絶対可憐チルドレン 愛多憎生(川口敬一郎)
・コルボッコロ(糸曽賢志)
・よなよなペンギン(りんたろう)
・甲鉄城のカバネリ 海門決戦(荒木哲郎)
・サクラ大戦 活動写真(本郷みつる)
・Dance with Devils-FO(吉村愛)
・劇場版王室教師ハイネ(菊池カツヤ)
・リズと青い鳥(山田尚子)
・たまこラブストーリー(山田尚子)
・聲の形(山田尚子)
・人魚の森(水谷貴哉)
・星界の断章 誕生(鍋島修)

は観たが、個人的には特に語るところなし。