サナエが、思いもよらない二重遭難や、間が悪い時で立場がない事もある。
だが、それは読者にとっては、溜飲の下げ時でもある。

1、最初期には、コボに対して、指しゃぶりをやめろと警告したサナエが、
壁に釘を打とうとして、自分の親指をイヤと言うほど叩いてしまい、
苦痛を和らげようと指を咥えているのを「人の事が言えるかよ」とばかりに、
コボに冷笑された。

2、喫茶店で、隣の席の親子連れの子供がメニューを取ろうとして、
その弾みでパフェを落としそうになり、サナエが受け止めようと飛び出すも、
そのパフェは両面テープで止められていた。
代わりにサナエがコーヒーをこぼしてしまう。

3、レストランで、コボと耕二とサナエが食事中に、
サナエがコボの食べ方に注意すると、弾みで自分の服の両袖の肘に、
スパゲッティ―のソースが付着して、ひどく落ち込み、コボと耕二に宥められた。

4、コボが小学校に上がってから、何かの理由で友達の家に立ち寄ったのを、
サナエが咎めて、家族全員で「人民裁判」にかけようとしたが、祖父母も、
耕二も、外出中であり、「みんな寄り道のようだな」とコボに冷笑された。
「クソ―」とばかりにサナエは立つ瀬がない。

これらの話で「ザマぁ見やがれコボ母!」と溜飲を下げた読者は多い筈だ。
特に3のそれは。