アル・パシーノは、超二重人格なのだと思う。
マフィアの仕事が大嫌いと言いながら、一番マフィアを超えるマフィアみたいな
仕事をやり抜く。ゴッド・ファーザーみたいな父親みたいなのをいやがりながら、
一番最初に、父親の見舞いに行き、さらにとっさの機転を効かし、
別の部屋に移動させる。
ここがすごい。アニキのソニーは、父親と面会しても、元気で力を出せよ。
まだカポネ帝国の拡張化の途中道路だからな。
それではと言いながら、車に乗り込む。ソニーには、とっさの暴力をふるう拳(こぶし)をあげるが、
とっさの機転がいつもない。
逆にアル・パシーノは、常に誰もが、ファミリーの一員の誰もが機転を発想しない状況の
中で、一歩先の常に一歩先の機転を発想し、常に、その勢いで足を動かす。
ベッドの滑り止めの金具をはずして、タイヤを転がす。
ここがすごい。動画を見ていて、ツバさえも飲み込めないほどの緊張感があふれている。
偶然にも移動式ベッドで助かったのである。ここにもアル・パシーノの強さがある。
これは、ファミリー全体を移動式ベッドにのせる気迫そのものである。
ミナミの帝王は、ミナミ全体を移動式ベッドにのせて、金の香りを求めて押し車をするのである。