「2台目が発見された病院は、山健組本部の山側(北側)で、幹線道路を渡った先にある。
病院周辺は人通りも少ないし、目立たん場所や。せやから、土地勘のある人間やないと分からんで。
本部に近いことで怪しまれようが、犯人が挙がらなければええ話や。

ただな、2台目のバイクに乗り換えるとき、当初から止めて用意しとったもんに乗ったとは限らんで。
犯人が1人で、もう1台を配置するのは物理的に難儀やと思うねん。犯行を遂げた犯人が現場から逃走して、
黒いスクーターを放置したところで白いバイクと合流する。こっちのほうがスムーズやろ」

兵庫県警は、押収した2台について逃走用だとは断定しておらず、捜査の進展に関わるとはいえ、
詳細を発表しない背景には何かがあるともみられている。

この“共犯者説”は仮説でしかないが、それ以前にバイクが発見されること自体、不自然だとする見方もある。

「共犯者がいた場合、1台目のスクーターをバンとか幌のある軽トラに積んで、隠して運ぶこともできたんじゃないか。
無数に防犯カメラが設置されていても、土地勘のある人間なら“穴場”を知っていただろう。

組織的な犯行だとすれば、なおさらだ。だから、今回の事件に複数人が関わっていたとしても、
ゴーサインを待たずに走ったように思うがな」(他団体幹部)

しかし、本誌前号(9月12日号)で報じたように、六代目山口組の中には「“絵を描いた”人間」に対して憤る関係者もいたのだ。

「発砲だけならまだしも、今回は組員が3発も被弾した。流出した防犯カメラ映像を見る限り、
ヒットマンは明らかに狙っていったのが分かる。当初から、あの場所で血を流させることが目的だったのだろう。

弘道会の重要拠点で、髙山若頭が復帰後に滞在する場所であり、そこで凶悪事件が起きたとあれば、
警察当局主導による使用禁止もあり得る。そうなれば、誰が“得”をすると思う? 
走った組員が算段しとるとは思えんから、“黒幕”がいるはずだ」(六代目山口組関係者)