山口組の篠田建市6代目組長に対し、抗争状態にある神戸山口組系組員らが5日、JR新神戸駅(神戸市中央区)でサインを求めた騒動で、
兵庫県警は8日、正当な理由なく駅構内に入った建造物侵入容疑で神戸山口組系山健組の事務所など9カ所を家宅捜索した。
山健組は神戸山口組の井上邦雄組長がトップを務める中核組織。篠田組長への“奇襲攻撃”を神戸側の中核組織が主導していたことで、
山口組の反発は必至の情勢だが…。
 捜索容疑は5日午前10時20〜30分ごろ、篠田組長らを挑発する目的で、新神戸駅構内に正当な理由なく
侵入したとしている。当時、駅には少なくとも山健組系組員ら約20人が集結。直系組長らが集まる定例会のため、名古屋から新幹線で到着した
篠田組長が改札を出て車に乗り込もうとした際、色紙やペンを持って「サインください」と声を上げ、警戒中の捜査員ともみ合いになった。
 「当時、駅に集まっていた組員は顔写真などから、すぐに特定され、捜索は健竜会、志闘会、健國会など山健組傘下組織7団体の事務所などをはじめ、
山健組の本部事務所でも行われた。一歩間違えば大乱闘になっており、兵庫県警の大失態となっていた。メンツを保つため、
少々ごり押しの容疑であるのも承知のうえ、捜索に踏み切った」(報道関係者)兵庫県警以上にショックを受けているのは、
神戸側にトップの到着を待ち伏せされ、サインを求められた山口組の執行部だ。
 「いくら警察が警戒している状況とはいえ、抗争状態のなか、親分に敵を近づけさせたのは大失態。完全に神戸側になめられており、
何らかの返し(報復行動)をしないとメンツが保てないだろう」(暴力団関係者)
一方、神戸山口組は8日、神戸市長田区の傘下組織事務所で直系組長らを集めた定例会を開催した。関係者によると、席上、
神戸市内で11〜12日に行われる伊勢志摩サミット保健相会合の間の行動自粛を通達したという。
 双方の内部事情に詳しい実業家は「双方がいちばん恐れているのが、組事務所の使用が制限されるなど、
厳しい規制がかけられる特定抗争指定暴力団への指定。抗争を激化させ、指定を受ければ組の維持は難しくなる。当分膠着状態が続くのではないか」
とみている。
https://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160909/dms1609091545017-n2.htm