刑務官とのトラブルも多発

刑事施設では受刑者同士のトラブルだけでなく、刑務官ら職員への暴行も多く問題となっています。
2016年の1年間で、受刑者による刑務官らへの暴行は530件にものぼっていて、毎日1回以上のペースで暴行を受けていることになります。

刑務官ら職員への暴行の理由としては「指導の仕方に腹が立ったから」「処遇に納得がいかなかったから」などがほとんどです。
暴行があるたびに職員の間で、受刑者への接し方について研修が行われていますが、1〜2人の職員が複数の受刑者を監視することが多く、突発的な暴行への対策は難しいようです。

このように、受刑者は他の受刑者や刑務官ら職員と常に近い環境にあります。
一度、置かれた環境が嫌になるとその環境を変えようがなく耐えるしかないため、平尾容疑者も衝動的に”逃走”という選択肢に至ったのかもしれません。

今回の逃走事件を受け法務省は「受刑者の心情の把握に努めたい」としていますが、限られた職員が受刑者の心情・行動を把握するのは、かなり難しいのが現状と言えそうです。