宅見組の綱領には「極道に生きる者は、心に決めた意思をつらぬくにあたり、いかなる争いにも背を向けるべからず」というものがあった。宅見組の綱領のなかでも最も意義が強調される一条であったという。
 宅見若頭をこれについて以下のように語っている。
 「いくら極道者でやんちゃ者といえども、他人との争いは決して好きでやる者はなく、ましてや自分よりも力のある者に対しては、やはり、普通堅気同様、怖さもおそろしさもあります。
  また、当然、法を犯してその挙句は身柄を拘束されるわけであり、決して生易しいことではありません。
 しかしながら、この怖さ、おそろしさをあえて抑え、立ち向かうところに極道気質が養われ、またこれが意地となり、極道社会を一人前に歩いていけることにもなるのです」


風貌はバーテンダーでも、根性据えて上り詰めんや。