三つの山口組【18年の始動】

任侠山口組では、「六代目」や「神戸」とは異なる年明けを迎えている。
一切の行事を開かないという方針を貫いたのだ。
「織田代表は常々、会費や当番など、若い者のよけいな負担を減らすことを説いています。
大晦日や元旦に行事をしないのも『正月くらいは、ゆっくりしてください』という代表の言葉を実現したもの。
これまで多くの組員は年末年始の組行事に追われ、家に帰ることもできなかった。
中には、十数年ぶりに自宅で正月を過ごせた組員もいたようです」
この負担減の徹底は昨秋の時点で明らかになっていた。織田代表の誕生日前に、以下のような執行部通達が出回ったのだ。
〈中元、歳暮は勿論の事、代表の誕生日、家族の誕生日、子供の入学、進学等々、他部団体で頻繁に行われている出物を一切厳禁しております。
代表からの言葉でもあるので、皆さんくれぐれも厳守して下さい〉
昨年11月の定例会を開かなかったのも納会と日程が近いためで、遠方の組員の負担を考慮してのこと。
「任侠山口組は、今後を担う若手・中堅を救うために立ち上がった組織だと公言している。
下の者に負担を強いる構造を変革しなければ、ヤクザ受難の現代を乗り切れないと考えているのです。
この思いが現場を中心に共感を得て、勢力拡大の一因になっている」
昨年、任侠山口組は新直参を月平均2名のペースで増員させた。
今年も多くの同志が集まることだろう。

アサヒ芸能 1月18日号