吸い上げると、スノードームのように、ポンプのなかで結晶が躍り遊ぶ。
人差し指でスノードームを弾き、結晶を溶かしていく。しばらくするともうポンプのなかは透明な液体しか見えなくなった。

左手にちからをいれ、右肘裏の血管を怒らせる。怒り狂った欠陥は表面を突き破るろうと浮き出てくる。

ポンプから空気を抜き、怒りを沈めるがごとく、ポンプの針を血管に推し進める。ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりと。1cmほど、針が進み、そろそろと判断し押し棒を引くと、スノードームにキノコ雲が広がる、と同時に鼻に懐かしい香りが広がる。目の前が輝いてきた。

慎重に押し棒を推し進め、すべてを入れる。もう戻らない。戻れない。
すべてを押しきりポンプを抜く、そしてオレンジのキャップを慎重に被せる。

俺の休日がやっと始まるのだ