五代目山健組へと代替わりを発表

 詰めかける報道関係者。そこにはテレビ局のカメラや大手新聞記者の姿もあった。
 ゴールデンウィークの真っ只中の5月5日。神戸市花隈にある山健組本部前には、午前中から山健組直系組長らが続々と結集していた。
 事前に通達されていたようで、集まった組長のほとんどがノーネクタイ姿であった。
 ゴールデンウィークの真っ只中というのに、テレビ局のカメラまで入ったのには訳があった。
 1つは、この会合でいよいよ山健組の代替わりが発表されると見られていたからだ。
 そしてもう1つは、代替わりに際して十数名の組長らが引退などで山健組を離れるのではないか、と噂が飛び交っていたからだろう。

だが、後者は杞憂に終わったと言ってよいのではないだろうか。

「服役、勾留、入院、以外の組長らは、ほぼ全て顔を揃えている。
姿を確認できなかった組長らもいたが、それは今回が初めてという訳ではなく、最近の定例会でも姿を確認できていない組長らだ」(捜査関係者)

 会合は、午後1時頃から始まり、30分ほどで閉会したとみられているが、その席上で正式に代替わりの発表がなされたようだ。

 五代目山健組組長に就任することになったのは、四代目山健組で若頭を務める五代目健竜会 中田浩司会長。
 捜査関係者の話によれば、午前中に神戸山口組組長と四代目山健組組長を兼任している井上邦雄組長が、初代山健組 山本健一組長の墓参を行なっていたのではないか、という。
 そこで代替わりの報告がなされたのではないだろうか。

 ある神戸山口組関係者は、山健組の代替わりに際し飛び交う噂について、このように話していた。
「多数の組長が引退し、山健組を離れ、中には移籍する組員らが多く出るように言われていると聞くが、あくまで外野が騒いでいるだけ」

 事実はもちろん分からない。
だが会合に出席した組長らの顔触れをみると、この関係者の指摘が正しいのではないか、と思わされてくるのではないだろうか。

 今後、代目継承の盃が執り行われ、本格的に五代目山健組体制が始動することになる。