【「山口組三国志」のこれから】
週刊現代12月2日号(2)

人の和という点では圧倒的に任侠山口組が群を抜いていそうだ。
織田絆誠代表のカリスマ的指導力はハンパでなく、任侠山口組の中堅・若手層では織田信奉者が少なくない。
詳しくは後述するが、目指すべき組織の目標を明示して、組員の心が一つになるよう組織運営も心掛けている。
対して六代目山口組では弘道会が主戦力とはいっても、その実態は現在、府中刑務所で服役中の高山清司若頭が影響下に置く
「高山一派」が実戦部隊とみられる。
弘道会の現会長である竹内照明六代目山口組若頭補佐も高山一派だし、
若手の有望株、野内正博弘道会若頭補佐(岐阜・野内組組長)も高山一派である。
彼らのホンネは「司組長はどうでもいい。大事なのは高山若頭」だから、六代目山口組に加わる、弘道会以外の組の戦意はなきに等しい。
山口組の分裂、対立はよそ事なのだ。
神戸山口組は人の和に難がありすぎる。井上組長への批判派は組外に出て任侠山口組を結成したし、
残った神戸山口組の幹部にも批判派は少なくない。
入江禎副組長(大阪・二代目宅見組組長)も池田孝志最高顧問(岡山・池田組組長)も井上組長に対し半ばサジを投げている。
かといって山健組の若頭に上った中田広志・健竜会会長の人望も薄い。
彼が井上組長に代わって山健組の組長に上るとして、はたして組をまとめ切れるか危ぶまれている。