昔つきあいのあった10歳くらい年上のAさんは、典型的なやるやる詐欺だった
毎回「イベントに新刊を出す!」「原稿のアシスタントして!」と人を呼び集め
実際にベタだのトーンだの手伝わせて巻き込んで大騒ぎをして
「間に合わないから今回は諦める」「原稿が気に入らなくなったから描き直す」
「手伝って!アシして!」数人で泊まり込み作業アシスタント「間に合わないので(ry」
間に合ってても謎の「納得できないからこんなもの本にできない」でボツ
このエンドレスで交流のあった3年くらい、結局一回も一冊も本は出なかった

大騒ぎに毎回付き合ってたのにも一応メリットはあったからで
第一に仲のいい子で泊まりがけで集まる、一晩中わいわいお絵かき(アシだけど)
他の人の作業を見られる、テクやコツを学べる(これが一番大きなメリットだった)
でもどんなに手伝って背景やら効果も「おお!」っていう出来になっても
「気に入らないからやっぱり全部描き直す」で一度たりとも陽の目を見ない
だんだん私たちも「どうせこの本出ないしねー」でAさんのお手伝いよりも
お互いの作業やテクニックの交換伝授会みたいになっていった

ある時一人が「Aさん、この効果すごい会心の出来だからこのページコピー取っていい!?
どうせこの原稿本にならないでしょ!?」
と、つい興奮したあまり余分な一言を口にしてしまったら、Aさん発狂号泣
…けど、その場にいた私たちもどっちかというと失言を非難するより
「あーあ、本当の事言っちゃったよ…」的に白けた気分で
誰もAさんを宥めたり、失言の主を責めたりしなかった
泣くAさんを放置して原稿やって、いつも通り明け方くらいに勝手に寝て
翌日じゃあねー、とにこやかに帰宅していった
さんざん人の労力を使っておいて簡単に「やめた」と原稿を捨てるAさんに
鬱積してたものがあったんだろうと思う
それくらい意地悪くなにもなかったようにスルーした

それ以降Aさんの「修羅場要請」はなくなって、つきあいもなんとなく消えた
今はデジタルだから、こういう合宿ってないよなーで思い出して
黒歴史スレとかそういうの探したけどなかったので、近いここに投下供養