【南京大虐殺】村上春樹「日本軍には捕虜を管理する余裕がなかったので、降伏した兵隊や市民の大方を殺害してしまいました。」

(村上春樹著「騎士団長殺し」より)

その年の十二月に何があったか?
「南京入城」と私は言った。
「そうです。いわゆる南京虐殺事件です。日本軍が激しい戦闘の末に南京市内を占拠し、
そこで大量の殺人が行われました。戦闘に関連した殺人があり、戦闘が終わったあとの殺人がありました。
日本軍には捕虜を管理する余裕がなかったので、降伏した兵隊や市民の大方を殺害してしまいました。
正確に何人が殺害されたか、細部については歴史学者のあいだにも異論がありますが、
とにかくおびただしい数の市民が戦闘の巻き添えになって殺されたことは、打ち消しがたい事実です。
中国人死者の数を四十万人というものもいれば、十万人というものもいます。
しかし四十万人と十万人の違いはいったいどこにあるのでしょう?」
もちろんそんなことは私にはわからない