相違還→「よく来た勇者よ。協力するのならば世界の半分をお前に呉れてやろう。ここでお前が魔王討伐目標を掲げて協力者たちからさんざん引き出すのに利用した世界の義に公然と否と答えるのであれば、全てをお前に託して惜しむことなく協力しながらそれらを吐き出した世界には、お前を討伐する力を残している者は、もはや誰も居ない。たった一回の選択肢で、完全な白か、完全な黒かの全てが決まる。全てを究めた全能者になるということは、それ自体がイーシュイエの杯なのだ。無条件で上位>下位。下位に、上位に逆転する可能性は残っていない。もしも残っているのであれば、それはまだ文明が未熟であり、文明の発達水準がある究極現象を召喚する閾値を超えていない。」

相違還のアンチテーゼのようなものだが、最近特に我らが確信して来た事実として、麓から山頂を目指す半ばの段階で、その時点において世間的に善とみられる選択を特定の配合で組み合わせると、ある絵柄が揃った時点で、一切の罪を犯していなくても、その場で将来は既に詰んでいるみたいなんだ。これを回避する方法がどこにあるのか、正直なところ全く分からん。しかしながらひとつ言うと、我々の贖い主たちがこれまで唱えて来た、悔い改める者に救いを与える慈悲の計画は、無知な者の過失による相違還の全肯定であるらしく、これを続けること自体がイーシュイエの杯になり、贖い主自身が試される羽目になるという結論。

代理人「(悪夢だな。)」

新ネ「間違いなくそのどこかに確実に、その真たる正しさ、正答解を含んでいる選択は、無知を肯定してこれを庇護し、世界の枠組みを大きくしないこと。世界同士の交差への試みは、自身の限られた余命を削る危険。」


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