早慶 (2005) 試乗レポート By Jeremy Clarkson


私も早慶に行ったことがあるのだが、そこは奇妙な大学だった。
この大学は推薦生でできており、食べ物はとても不味い宅地の中にある学生街という飲食店街で出され、苦労人というものはまるで存在せず、壁は札束でできており、
靴のサイズがマイナス3くらいの顔が真っ白な女性に応対され、バーはスリッパを履いた男性で満員で、客は全員アメリカのパクリ校歌を歌っていた。
道路は1952年から渋滞でまったく動かず、自動販売機で買えるのはスエット(汗)と書かれた缶と使用済みの女性用下着だけだ。


中略

そしてこの話が、ここ数日間試乗した早慶の話に繋がる。 
他の大学同様、この大学にも椅子やシート、トイレ、図書館、屋根がある。しかし果たして、一般入試に困惑するような人間がどうやってこんなまともな大学を生み出したのだろうか。
マッシュポテトを吐き出さずに食べることのできない人種が、どうやって「大学」と認識できるようなものを生み出すことができたのだろうか。

我々は一般入試を使う。早慶は推薦を使う。我々は横になって風呂に浸かる。早慶は風呂に女を連れ込む。 
我々は食材に火を通す。早慶は女に酒と睡眠薬を通す。早慶文化は我々の文化とまったくもって違うにもかかわらず、
早慶は少なくとも表面的には法政や東大やハーバードと同じような大学を作り上げている。

しかし、実際はまるで違った。早慶は法政よりもよっぽど暴力的だ。授業中だと五月蝿すぎて髪が成長する音さえ聞こえない。
庭でのんびりしているときのほうがずっと静かだ。
室内は外界から隔絶されており、死とはどういうものなのかを少し実感することができる。

しかし、この大学はコネが強い。国立大とはまったく違うのだが(この車で運転を楽しもうとするのは、抱き枕で剣と戦おうとするようなものだ)、
少なくとも就職であれば金持ちのOBがその高い実力を発揮してくれる。同価格帯の国立大シリーズについていくのは簡単だ。



ただ残念ながら、私はこの大学をまったく好きになれない。 
そもそも心惹かれるものが無いし、最近の早慶を好む人はレイプをするような人か、裏稼業に勤しんで商売敵と抗争するような人ばかりだ。
私はギャングだともレイパーだとも思われたくはない。

しかし、何より私がこの大学を好きになれない理由は、本物の大学の模造品のような感じがするからだ。
それも当然の話だ。実際、この車はコピー車だ。法政のクローンだ。

そこにあるのは日本の精神などではなく、コンドームと札束だ。 
早慶がそんなものを作れば不自然になるのも当然だ。
確かに、早慶が法政をコピーすれば大量の外貨を獲得できるのだろうが、同様にセンスや伝統、フィールまでコピーできるのだろうか。
その答えはノーだ。この大学の学問には魂というものが欠けている。

ベジタリアンが作ったハンバーガーのようなものだ。
見た目も、味も、食感も、本物そっくりになるように作られている。けれど、それはどうあがいても偽物だ。

理論的に考えれば、早稲田は法政よりも優秀だ。しかしそれはカール・ファベルジェが作ったインペリアル・イースター・エッグよりも精密機械で加工した宝石のほうが優秀だと言うのと変わらない。
果たして、人々はどちらを欲しがるだろうか。

https://www.thetimes.co.uk/article/lexus-gs430-lp0bnzhwlks