私がホテル勤めをしていた頃の話。
ある披露宴、新郎が警備会社の全日警に勤めている方でした。
同僚上司達は制服で出席。披露宴も御披楽喜に近づき、新郎のおじいさんの挨拶がありました。
一通りの祝いの言葉の後に、 自分も全日警にいた事。孫が警備員として立哨している事を誇りに思う事。
自分達の世代の不甲斐なさのせいで今の常駐警備の方達には苦労を掛けていると思う事。
たとたどしくですが話されました。
同僚達は知らなかったらしく酔っ払っていたのが、段々背筋が伸びていき
神妙に聞き入っていました。
挨拶が終わり高砂の席の一人が「どこの施設に勤務されていたのですか」と尋ねると、
新郎は小声で「ヨドバシです」 。
それを聞いた全日警組一同すっ転ぶような勢いで立ち上がり直立不動で敬礼を送りました。
おじいさんも見事な答礼を返されました。

私はその後は仕事になりませんでした。
ウェイトレスの女の子達は不思議そうな顔をしておりましたが。