冒頭のエピソードは、筆者の友人の実体験である。この出来事の数週間前には、2人で仲良く温泉旅行に行ったばかり。男性は頭の中が疑問符でいっぱいになり、
理由を彼女に聞いてみたが、「恋愛対象として見られなくなった」など要領を得ない回答ばかり。「この間まであんなにラブラブだったのに!?」。結局、最後まで彼女の気持ちが理解できないまま、友人は振られてしまった。

 意外にも、こういった経験をしている男性は少なくない。ある一定の周期でふらりとやってくる、女性の“急に別れたいと言ってくる現象”。その心理状態はいったいどうなっているのか。

「いきなり別れを切り出されて困惑する男性に対して、女性のなかでは、その別れは急でもなんでもない、ということがほとんどです」

 そう語るのは、『理屈で動く男と感情で動く女のもっとわかり合える会話術』(かんき出版)の著者で、異性間コミュニケーション協会代表理事の佐藤律子さんだ。
佐藤さんによると、女性は自分の人生をドラマにしたがる生き物だという。

目を見て話を聞くだけ
その驚きの効果とは?
 佐藤さんによれば、前述の「天気がよくて気持ちいいね!」という文面には、「わたし今日、機嫌いいよ」というメッセージや、
「どこか出かけたいな」ぐらいの意味がこめられているのだという。

 これをスルーされたことで、女性は交流を拒絶されたような気持ちになり、マイナスのストーリーを勝手に展開してしまうわけだ。
だとすれば、友人の大失恋も、もしかしたら本人が気づいていないだけで、女性が重視する感情交流をないがしろにしたせいで嫌われてしまったのかもしれない。

 しかし限られた時間のなかで、しょっちゅう「感情交流」につき合う時間なんてないんですけど…。
そんな男性陣のボヤキが聞こえてきそうである。佐藤さんは、「彼女の目を見て、しっかり話を聞く、というだけでも男女の仲は劇的に改善されます」と言う。

 女性の話を“聞く”ことの重要性は、海外のパートナーシップ研究でも以前から重要視されているようだ。

「男女研究の大家として知られるジョン・グレイ博士の講座では、“絶対に夫婦仲がよくなる”というワークが話題になりました。
ある方法を1時間行うだけで参加者のほとんどが仲良くなる