与野党対決や接戦と伝えられた分、新潟県知事選の敗戦は、野党にとって打撃が大きい。
約3万7000票差は接戦でも僅差でもない。まんべんなく全県で票を積み重ねた与党にとってはよくぞ勝ったと、ことに公明党の踏ん張りが大きいという分析だろう。
では野党5党1会派共闘は、なぜ功を奏さなかったのか。

ある野党幹部は言う。
「1つは、野党は本当に勝つ気があったのだろうかということだ。この選挙は、野党共闘のきずなを深める戦いではない。原発政策を軸にした対立軸がテーマ。
加えて国政の代理戦だったはずなのに、与党の争点ぼかしに野党は引きずられた。候補者選定でも、エース級の現職国会議員を出馬させるだけの覚悟も必要だったのではないか」。

 ★応援に入った野党議員も言う。「相手候補との政策の違いが分からない。原発政策も、明確にしていたのは3人目の候補者だけ。
その裏で野党陣営は、連合や東京電力に配慮しすぎたのではないか。今の連合は、支援が逆効果になる場合すらある」と悔しがる。

 ★その結果の代償は大きい。新潟の原発政策は、全く違う様相に変化する可能性が出てくると同時に、首相・安倍晋三は総裁選3選に拍車がかかる。
加えて野党共闘では、各党がどこか人ごとで、責任の所在もあいまい。今後の自治体選挙や参院選の統一候補計画にも、暗雲が垂れ込める。

 ★つまり野党からすれば、新潟の選挙は、野党の進め方のシンボル的なものだったのではないか。そこでも立憲民主党のリーダーシップが問われる。
先週末、党代表・枝野幸男は、こちらも与野党対決の場となった中野区長選と区議補選の応援に入った。
これも次の選挙を占う大きな意味があったが、新潟に安心していたのかもしれない。まだ野党にとっては、慢心する時期ではない。

新潟県知事選敗北は野党の慢心/政界地獄耳