私が思いだせる頭部の怪我での死亡事故は今から60年以上昔のセルセ・コッピぐらい。
コッピの時代、自転車でカスク(革製のヘルメット)をかぶるのは、
頭から落ちる危険の高い、前傾姿勢の強いトラックレーサーにほぼ限られていました。
最近のロードレーサーの一つの問題は、「トラックレーサーのように前傾が強い」ということ。
そこへタイヤは昔よりどんどん細くなり、ブレーキはとてつもなく利くようになった。
ツールの集団落車のシーンを見てみると、一度タイヤがスリップを始めて流れ始めると、誰も彼も氷の上を
滑っているようで、ブレーキを緩めてもタイヤがグリップを回復しない。
ああいうのは1990年以前には見たことがありませんでした。
はなはだしい場合はタイムトライアルでスタートする時、ほんの2〜3mでタイヤがグリップを失って転倒していることすらある。
さらには「急制動のときでんぐり返しする」というような事故は昔はまずなかった。
そういう危険な競技車輌を公道で乗っている人たちはヘルメットをかぶったらよい。
自転車に乗る人すべてにヘルメットをかぶせるような必要はないと私は考える。