EVO 1は太田がレースで着用していたADIZERO ADIOS PRO 3をベースにしたモデルで、約40%の軽量化に成功。中足骨をヒントに調整された5本のカーボンスティックを搭載した厚底モデルながら約138g(27 cm片足重量)しかない。太田はPRO 3との違いをこう説明する。

「軽さが抜群に違っていて、履いていても、シューズ(の重さ)がまったく気になりません。走った感触としては、PRO 3はどちらかというとクッション性がやや少なくて反発がある感じなんですけど、EVO 1は沈んだ分、反発が強く返ってくるんです」

 そしてEVO 1を着用した太田が箱根駅伝3区で爆走≠キる。10000mで日本人現役学生最高の27分28秒50を持つ駒大・佐藤圭汰(2年)を22秒差で追いかけると、7.6q付近で並ぶ。10qを27分26秒という驚異的なペースで通過しながら、終盤に佐藤を突き放した。

「僕はなかなか凄いペースでいったんですけど、後半に何回も仕掛けることができました。脚に余力があったのは、シューズのおかげでもあるのかなと思います」

 太田は3区の日本人最高記録を1分08秒も塗り替える59分47秒で突っ走り、駒大の2年連続3冠の野望を打ち砕いた。